【2-08】遊戯、決着
(そっか。『いのち』を
ウッカリ事故って
「……なムなム」
「
黒主が
まあ
起きたことは仕方ない。現実に
ひとしきり
札に書かれた歌を見た黒主はニヤリと笑うと、ほぼノータイムで告げた。
「『ことば』」
当然のように次の
(――だが。まだ戦える!)
しかし、こうなる事態は事前に予想できていた。
ヤスリの
(黒主は、『単語を指定する』のがルールと言った。発音する必要は特に無い!)
どうやらヤツも同じ方法は頭にあったらしい。
『あたりのくうき』
書き上げた
この仮想空間では黒主の身体に
身体の周りの水分が蒸発すれば、舌や眼球も使いにくくなる。
それに空気が無くなれば、もちろん発声しても音は生じない。
相手の視界と言葉を同時に
(目には目を――どうだ黒主)
これで今度は黒主も言葉を発せなくなった。
しかし無言になったヤツは次の札を引くと、にわかに死んだ
(うっ!)
その首を、何と
黒主はその血に指を
「『やすり』」
なるほど、字を書く手段を
だったら他の手段で
(ええい、何とかなる!)
山札から引くと、また
これで
先ほど
「あーンー空気が、ウマイネ!!」
そう言いながら黒主が引いた札は、女官札。
場に
マハの色々、
これまでの
(この全部を
視界と光を
言葉と辺りの空気を
どれもゲーム続行が厳しくなるという意味で、最悪だ。
もちろん黒主がこんな好機を
「
そう黒主が宣言した、次の
視界も光も
「わっ、黒主が凍りづけに……!?」
その言葉を聞いた
もちろん言葉も空気も
(――――勝ったな)
三十秒が過ぎたところで、
黒主がゲーム続行できず、
返ってきた光と視界、そして言葉と空気を味わいつつ、
元に
氷の
それでも黒主自身の設定上、ヤツの生命に異常はないはずだが――。
「ねえ
「見ての通り、
その
すなわち時間制限の三十秒が来たところで、
「??? よく分からんらん!」
「要するに
もちろん、これは
だから
結局のところ、黒主がワナに気付かなかった時点で、
この『
「さて。
物言わぬ
空を
同時に
「やあやあマハさん、お元気そうで何よりだ」
もし
――が、マハさんの方では
「どうしたマハさん、
「アンタね……あれだけのことを私にして、よくそんな
さすがに
「済まない。黒主の
「そうじゃない! 現実じゃないからって、他にも色々と
「ちゃんと全部返したではないか」
まあ正確には返したというより、
「返せばいいってモンじゃないでしょ!?」
「ケチケチするな、減るもんじゃあるまいし」
「増える減るの問題じゃないわー!!」
起き上がったヤツに、
「残念だったな、黒主」
「クウ……まさカ空気ごと
「約束どおり、マハは解放させろ。それと貴様の協力案の話もナシだ」
もともと今の
だから別に約束の
すると案の定というか、立ち上がった黒主は耳穴を指でほじりながら。
「じゃア解放はする――するけド、キミたちにはまた
そう言って黒主が合図すると、散開していた兵たちが
やはり最初から、こうするつもりだったようだ。
(
結局のところ
「どうあっても
「分かってるンじゃないカ。古人いわく『この世ははかりごと
ほぼ
マハを救い、黒主の口を割らせ、かつヤツを殺す。
そう仕向けられるよう、黒主に『
「
「さっきも言っただロウ? ボクに従いたまエヨ」
「貴様に従え――と?」
これだ。
「残念だがそれは無理だ!
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