【2-07】マハさん、○○○まで奪われる
なるほどな。そういうことか。
黒主がこのゲームを提案し、こうやって
「つまり――この夢空間を利用すれば、相手を
「ヤダなァ、もしかしてだヨ? ブッソウなことを考えるンだネ。ただ
黒主は
あるいは今こうして
「ここで死ねば現実でも死ぬ」と
「ここは現実と
「そウ。さっきボクを
能力が使えないから
「何とも
「ボクはウソをつきたくないからネ。最初に言ったルールはチャンと守るのサ」
「ふん。こちらを安心して
安全な世界は見せかけで、本命は深く
ヤツも「十分に
「サテ。ご理解いただけたところデ、再開するとしよウ。キミの手番からだヨ」
黒主が山札を指で示す。
めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に
雲がくれにし 夜半の月かな
引いた札には、女性が
先ほど女性札を黒主が引いたばかりなので、もう捨てられたモノは存在しない。
だが黒主の話したルールによると、女札は男札のように何かを
ならば――
「『めいおうせいの ひょうめんおんど』」
人間の身長よりも
「そんなモノ
「いやー、どれくらい遠くのモノまで持ってこられるのか知りたくてね」
「で、
「ああ。たぶん
なら多分この氷の
「ンじゃ、次はボクの手番――――ワァ、まーた
悲鳴を上げた黒主の下から、おっぱいと女物の下着と、たぶん処女が
また
「どうせまた、女札が出たら持って行かれるんでしょ……」
確かにルールではそうなので、このゲームはマハさんにとっては災難でしかない。
一体このゲームが終わるまで、
引いた札には男の貴族が
つらぬき
「『しかい』」
「オウ――ッ?」「えっ、真っ暗!」
しかも事前のルールだと「近くから
「さあ黒主。どうぞ次の札を引いてくれ」
そう言いながら、
相手の視界を
そして、この勝負においては「まず山札から引かなければ」何も始まらない。
後は八方
(つまり、この時点で
なんだ、その気になれば簡単な勝負だったな――。
しかし、そう思っていた矢先、黒主の長い手が山札にニュッと
「『ひかり』」
――と、しばらくしてヤツの声がした。
とたんに
これまで現実と同じように赤暗く染まっていた空、空を
(まずい!)
どうやって黒主は札を引き、どうやって文字を読み取ったのか?
それを考えるより先に、
指先の
「アーテイ氏、
この仮想空間にアーテイ氏が現れるかどうかは
「読んでもいいけど、
「ぐ。
何てことだ。
つまり
「残念だったネ~、じゃあ今度はボクの番ダヨ」
これでは一方的に
「げ。ボクも
そんな黒主の声がしたのと同時に、パッと
運が悪いのか良かったのか、ともかく一見すると場は元に
しかし相手が女札を引けば再び危機に
(ふん。さっきのは、そういうことか)
もう一つ、視界が元に
仮想空間に移動してもマハと同様に存在していた
「白い
当てずっぽうでカマを
ヤツの
「ヤダナア。
視界を
それも見かけは鳩だが、何らかの能力で視界が無くてもモノを認識できるタイプ。
その式神が代わりに
要するに、こっちがアーテイ氏を使ったのと同じ方法というわけだ。
「ふん、全身
皮肉を言いながら、
今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを
人づてならで 言ふよしもがな
「『いのち』」
見た
他の式神と
三
「アアア、ボクの大事な
「ご
「あ、そうだッタ」
本気で忘れていたのか、黒主がポンと手を打つ。
「そんなことも忘れていたのか」
「そンなことも忘れていたヨ。でもキミも何か忘れてなーイ?」
黒主に
「……どういうことだ?」
不思議に思った
示された方向を、
「――――あ、マハさん」
なんと薬師の少女マハ・ベクターが、無言でうつ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます