【2-06】マハさん、処女も奪われる
引いた絵札には、またも男の貴族が
その姿の上には、こう文字が記されている。
いまひとたびの みゆきまたなむ
マハさんの顔を見ると、
それもそのはずで、
「2枚続けて、男で【お】じゃないか」
「ちゃンと混ぜたのかイ?」
黒主に言われるまでもなく混ぜたはずだが、運命とは
横でマハさんがイヤそうな顔をしたのも、一枚目と似た札だからだろう。
そりゃそうだ。いきなり最初っから、自分のおっぱいを
(さて、どうするか)
考える。大まかなルールは黒主が話した通りだろうが、
今のうちに、どれくらい
「『おんなものの、したぎ』」
そう
ぱさっと落ちてきた布きれを、
「なるほどね。これはマハの下着かな?」
どうやらこの反応からすると、やはりこれは
「な、な、ななな…………っ!?」
「そう
手にしたピンクのブラジャーを両手で広げながら、マハさんを
小さめサイズのブラジャーをヒラヒラしながら、
(単に物体の単語だけじゃなく、細かい条件指定も反映された。ならば思いつく単語に困ることはなさそうだ。もしかすると、物体である必要すら無いかもしれない)
その辺は、次の手番で
内心で結論づけたところで、マハさんが
「かえしてよーーーーーーっっ!!」
「おっと」
あまり戦利品を
ブラを
その一方では黒主がもう山札を引いていて、ヤツは小首をかしげると札を見せた。
「ざンねン、
そう言って示された絵札には、確かに
だいたいの予想はつくが、
「このルールだと、どうなるんだ」
「これまでボクが
言うと同時に、黒主の手元にあったおっぱいがシュッと消えた。
同時にマハさんの
「ひゃっ!?」
と言うと、
とは言えブラジャーは
「なるほどな。
「そだネ」
「それは大変だ。できる限り
「アンタは早く引いて、下着を返しなさいよ!!」
もっともなツッコミではあるが、
「でも
「だいたい私の下着なんか
「もう秋も深くなって
「私で暖を取るなあ!!」
やたら
しのぶれど 色に
ものや思ふと 人の問ふまで
「『し』……か」
「残念だったわね、もう私は下着をつけてないわよ!」
「く、そうだった。仕方ない、マハさんには別の実験に付き合ってもらおうか」
「へ?」
「
さっきの課題もある。今度は物体ではなく
そう、例えば――。
「――――『しょじょ』」
そう言った
まるで異物が身体に
さっきと同じようにスカートの下を
その
「……えっ。まさか、通ったのか?」
正直、
しかしマハさんは目を白黒させ、息を
(うーむ、判断に困るラインだな)
そう思い、今度はゲームルールを制定した黒主の顔を見る。
こっちの視線に気付いた黒主が、
(わあ。マジか)
ルール制定者からお
「すまん。まさか本当に
というか、コイツ処女だったんだ。
まあ
「か、な、でぇ……何てこと、すんのよぉ……!」
「悪い悪い。そのうち
「人の処女を、気軽に取ったり返したりするなぁ!」
マハさんには気の毒なことをしたが、おかげで色々と新しい発見があった。
(まず、明確に名付けられた物体でもない、
それに本当に物的に
だったら、例えば『言葉を
(じゃあ、『こ』などは
こちらが引けばいいが、黒主が宣言したときに備え、対策も考えておかねば。
そう思いながら、黒主の手番を見守る。
次の札を引いた黒主が、こちらにその札を見せつけてきた。
「また
見せられた札に
しかし先ほどと
「
「なんにも起きなーイ」
そう答えながら、黒主はポイッと
「何てことだ。せっかく取った下着と処女を、もう手放すことになるなんて」
「いや、サッサと手放しなさいよ」
一方で
しかし、それも
「今度は女札だヨー」
手番の回ってきた黒主が、そう言って女官の
男と
「
「そうだネ。このゲェムの場合も、
「ここまで
おっぱい、女物の下着、処女。
「……え?」
その直後のこと。
「――ワァイ、フィィィバァァァ!!」
喜ぶ黒主の頭上から、
楽しげな黒主と逆に、またも色々なものを
「なんで私ばっかり、こうなるのよーー!!」
「「だって近いし」」
かわいそうな薬師に二人まとめて
まあ近かろうが遠かろうが、あれば取ってくる仕様にも思えるが。
「取りたきゃ、あんたたちで取り合いなさいよ! 私を
「ふーム。まア夢の世界とは言え、あまり身体に異常が起きると、現実のキミたちにも多少の
耳穴を指でほじりながら
急にシリアスな態度になったので、
「多少の
「ヒトの身体はリアルな
黒主はそう言うと、不気味に笑った。
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