【2-04】黒主の失言を引き出せ
「黒主ッ!!」
「
黒主もマハも、いきなり現れた
代わりに黒主は自ら歩み出ると、乱れた白い歯を
「大人しく出てきたということは、ボクにリートを
「イヤだと言ったら」
「キミが死ぬだけだヨ」
黒主の周りに居た
ヤツの言葉が本気かどうかはともかく、
ではならば、こちらも
「それは大変。だが
果たして黒主は
「……
「そうだ。お前が
「ふゥむ……『
これまでの
やはりマハが式神にリートを使った際、こちらのリートの正体は気付かれている。
黒主が
「……
「まさか。
つまり
黒主の側からすると、無視するには危険すぎる
「……いいだろウ。もともと殺すのは最後の手段ナンダ。ボクとしては『
「
「うン。それならキミが望むように
「……
黒主の問いかけに、
どうせ
それよりも大事なのは――。
「それで、
――少しでも会話を続けること。
対話さえ続けば、いずれ望ましい言葉を黒主から引き出せる。
そう。黒主に情報をすべて
「ああ。ボクたち
なるほどな。
もちろん本心を返すなら、問答無用でノー。
しかし今すぐ返答してやる義理もないし、黒主戦では一度手痛い目に
今回は少し
「
まず当然の疑問を返すと、黒主が顔をほころばせた。
「100のリートを一身に集めた者は、世界に『新たな真実』を1つ付与できル。たった一人しか
「たった一人なら、協力したところで最後には仲間割れを起こすはずだが?」
すべてのリートを集めるというのは、すなわちバトルロイヤル。
勝者はたった一人で、残りは全員が敵。
ならば
「もちろん
その内容は黒主が
しかしヤツが本当に集めたリートを理想郷建設のために使うとは限らない。
口先だけなら何とでも言えるし、口先だけでは何も保証されない。
「……第二は?」
しかし今はその反論を心に
「第二は、
要するに
もし何も知らない
「なるほどね」
「オンナが
さすが
「つまり買収工作と。国家権力による」
「バトルロイヤルとは参加者だけによる公平公正な
まだあるのか。
最初から返事は決まっているのだから、いい加減聞くのもうんざりしてくる。
しかし最後のようなので、
「いったい、何だ?」
何の気なしに、黒主の言葉を待つ。
すると
「――
黒主が提示してきたのは、
その理由を
しかし――。
「お前が話したことが正しい真実だと、それはどうやって保証する?」
この「
真実と
もしヤツの口から真実を引き出せるなら、それは『逆理のリート』の強制力をおいて他にはない。
「ふム……ボクの言葉からして信用できないと。困ったネエ。マハはどう思ウ?」
そう言うと黒主は
急に話を
「アンタの言葉なんて信じられるハズないじゃない」
「そっ、そんなア!?」
黒主は
しかしマハのほうは「何で意外そうなの」と、
いかにも二人は旧知の仲、といったやり取り。
二人の関係が気になった
「知り合いか?」
「
マハから短く返る、冷たい言葉。
思えば黒主は
どちらも
それっきり
「どっちも陛下に仕える者同士だもンねエ」
「心外。アンタと
どうやら黒主の方では友好的だが、マハが一方的に黒主を
もっとも今こうして
(さて、どうしたものか)
黒主の言葉は信用できない。
しかし『
となると当初の予定どおり、対話で時間
マハたちが話している
「協力してもいいが、条件がある。事の
「ゲェム、だって?」
こちらが出した条件を聞いて、黒主が
中には100枚の絵札が入っていて、それを取り出すと一枚を黒主に見せつける。
「そう。ゲームは百人一首の
言いながら見せた絵札には、達者な文字と共に一人の貴族の絵が
「――でもキミが勝ったら、今の話はご破算と」
「そのとおり。それに加えて
提案を受けた黒主の眼球が、せわしなく左右に動く。
やがて――。
「いいだろウ」
適切な解を導き出したように、黒主はニヤリと笑うと
「
その答えに、
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