第15話 食事時間はお静かに(4月12日水曜日)
翌日のお昼休み
僕のクラスだけは妙に静かだった。(一部を除く)
食事時間も終わる頃、僕の目の前には異分子が居座り続ける。
もうすぐ午後の授業だよ?
あとクラスの人達
きみたち鼻息荒いよ
好きだよね こういうの。
そんな周囲の様子を気に留めることもなく、彼女は気だるげに僕の席に座っていた。僕どこ座れば
「ねえ。うちのクラスでもうわさになっているんだけど、あなた演劇部に入ったんだって。本気なの?」
彼女はそう言って僕のお弁当から卵焼きを一つ取り口に放り込んだ。
むぐむぐ
「正確に言うとまだ仮入部だよ」あ、2個も
彼女はちょっと待ってと言いながら、僕の卵焼きを飲み込む。
「わたし甘い卵焼きって苦手なの」彼女がそう言いながらタコさんウインナーに手を伸ばしたのを見て、思わず手を掴んだ。
「あら、今日はやけに積極的ね」
「僕が持たせたお弁当は?」
「もちろん食べたわよ。あんな美味しいお弁当がお昼まであるわけ無いでしょ。そんなことも分からないの」
「いやそんな褒め方されても嬉しくない」
「はぁ、贅沢な人ね。 まあいいわ」
彼女はウエットティッシュで指と口元を拭くと、ポンポンとスカートの上から自分の膝を叩いた。
そして僕を見ると恥ずかしそうに微笑み
「じゃあお礼にあたしの膝枕を堪能させてあげる。天国への片道切符ご招待よ」
瞬間、うぉぉぉぉぉぉと言う、野太い声と、きゃあああああああああ\\\\という黄色い歓声がクラス中でこだました。
うん。みんな色々ごめんね。
撤収させます。
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