第20話

 ショップを開いて確認してみたところ、スキルのところだけが新しくなっていた。


――――――――――――――――――――――――――――――――

購入可能なスキル一覧

刀剣強化Ⅱ   1000P

身体強化Ⅱα  1000P

身体強化Ⅱβ  1000P

防具強化Ⅱ   1000P

挑発Ⅱ     1000P

障壁魔法Ⅱ   1000P

魔導の力Ⅱ   1000P

水魔法Ⅱ    1000P

火魔法Ⅱ    1000P

風魔法Ⅱ    1000P

土魔法Ⅱ    1000P

雷魔法Ⅱ    1000P

治癒魔法Ⅱ   1000P

蹴空      1000P

飛行魔法    1000P

地図作成    1000P

インベントリ  1000P

鑑定      1000P

※ショップでの累計購入額が大きくなると、購入可能なスキルも増えます。

※スキルを他者に譲渡することはできません。

――――――――――――――――――――――――――――――――


 スキルの横についた数字が大きくなって、おそらくグレードアップされたであろうものもあれば、今までに見たことのないまったく新しいタイプのスキルもある。


 ただ、値段が結構高くなっているな。


 まあ、とりあえずどんなものか中身を見てみるか。


――――――――――――――――――――――――――――――――

>刀剣強化Ⅱ

刀剣類の攻撃力を、元々の値の50%分上昇させる。

1分ごとに魔力を5消費する。

※「刀剣強化」と名のつく他のスキルとの重ね掛けはできません。

――――――――――――――――――――――――――――――――


 Ⅰが30%上昇だったのに対して、こっちは50%上昇か。


 その分消費する魔力も増えてるけど……。


 気になるのは『「刀剣強化」と名のつく他のスキルとの重ね掛けはできません。』って説明だな。


 これは”刀剣強化Ⅰ”と”身剣強化Ⅱ”を同時に使うことはできない、という意味だろう。


 この二つを同時に使えれば80%上がるから、使えたらよかったんだが、そう都合のいい話はないってことか。


 次は”身体強化Ⅱ”だが、これはαとβの2つがあるな。


――――――――――――――――――――――――――――――――

>身体強化Ⅱα

筋力、防御力、魔法防御、敏捷をそれぞれ元々の値から15%上昇させる。

※「身体強化Ⅰ」によって強化された数値を、元々の値として扱います。

――――――――――――――――――――――――――――――――


――――――――――――――――――――――――――――――――

>身体強化Ⅱβ

筋力、防御力、魔法防御をそれぞれ元々の値から20%上昇させる。

※「身体強化Ⅰ」によって強化された数値を、元々の値として扱います。

――――――――――――――――――――――――――――――――


 なるほど。同じ「身体強化Ⅱ」でも、効果が微妙に違うのか。


 だからαとβの2種類あるんだな。


 で、Ⅰとの違いは、ステータスの上昇が数字ではなく%ってところか。あとは強化される項目が増えているところ。


 こっちは重ね掛けがダメって書かれていないから、αとβのスキルを同時に発動することもできそうだな。


――――――――――――――――――――――――――――――――

>防具強化Ⅱ

装備した防具の防御力、魔法防御を元々の値の35%分上昇させる。

1分ごとに魔力を6消費する。

※「防具強化」と名のつく他のスキルとの重ね掛けはできません。

――――――――――――――――――――――――――――――――


 ”防具強化Ⅱ”も”身体強化Ⅱ”と似たような感じだな。


 魔力の消費が増えた分、効果が少し強くなっている。


 重ね掛けができない点も同じ。


 次は”挑発Ⅱ”だが……。


 こっちはⅠと比べた方がわかりやすいかもな。


――――――――――――――――――――――――――――――――

>挑発Ⅰ

視界内の人間・モンスターのうち一個体を対象として発動。

対象に自らを強制的に攻撃させる。

魔法攻撃が高いほど効果時間が長くなる。

――――――――――――――――――――――――――――――――


 これはいわゆる、タンクと呼ばれる役割をこなす者たちに必須のスキルだ。


 このスキルで敵を引き付け、味方を守るわけだな。


 一人で戦う俺にはあまり意味のないスキルだけど。


――――――――――――――――――――――――――――――――

>挑発Ⅱ 

視界内の人間・モンスターすべてを対象として発動。

対象に自ら強制的にを攻撃させる。

魔法攻撃が高いほど効果時間が長くなる。

――――――――――――――――――――――――――――――――


 Ⅰとの違いは、こっちは対象を選べないってことだな。


 複数の敵を相手にスキルを発動できるのはいいが、味方が視界内にいるときに使ってしまうと同士討ちが発生するリスクがある。


 次は”障壁魔法Ⅱ”だ。


――――――――――――――――――――――――――――――――

>障壁魔法Ⅱ

以下の魔法が使用可能になる。

【プレインバリアW】

【スフィアバリア】

――――――――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――――――――――

>プレインバリアW

物理、魔法の両方を防ぐ平面のバリアを二重に生み出すことができる。

――――――――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――――――――――

>スフィアバリア

物理、魔法の両方を防ぐ球形のバリアを生み出すことができる。

――――――――――――――――――――――――――――――――


 プレインバリアWは、バリアを二重に張ることで、おそらくバリアの強度が増すんだろうな。


 スフィアバリアは、全方位からの攻撃を防ぐことができる。平面のバリアだとどうしても一方向からの攻撃にしか対処できないからな。


 これはかなり便利そうなスキルだ。買うべきだな。


――――――――――――――――――――――――――――――――

魔導の力Ⅱ 

魔力を30%、魔法攻撃と魔法防御を15%、元々の値から上昇させる。

※「魔導の力Ⅰ」によって強化された数値を、元々の値として扱います。

――――――――――――――――――――――――――――――――


 これも「身体強化Ⅱ」と同じようなスキルだな。αとかβみたいなのはないけど。


 魔力の消費なしでステータスが上がるわけだし、これも買った方がいいだろう。


 次は魔法だな。


 説明を読んでいくと、横についている数字が一つ増えて「Ⅱ」になっているぶん、効果が強力になっていそうな感じがした。


 まあ、実際どうなのかはスキルをとって使ってみないと判断できないが。


――――――――――――――――――――――――――――――――

>治癒魔法Ⅱ

以下の魔法が使用可能になる。

【ミドルヒール】

【ミドルキュア】

――――――――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――――――――――

>ミドルヒール

致命傷を除いた、あらゆる怪我を治療することができる。

――――――――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――――――――――

>ミドルキュア

強力な毒以外の、毒にかかった者を治療することができる。

――――――――――――――――――――――――――――――――


 そして、魔法の中でも特に重要だと感じたのがこの”治癒魔法Ⅱ”だ。これは絶対に買わないといけない。


 というのも……今まではチュートリアルダンジョンだったので、怪我を気にする必要はなかった。ここではどんな怪我を負っても死ぬことはないからな。


 ただ、これからは違う。


 普通のダンジョンではここのような恩恵は受けられないから、怪我を治す力は絶対に必要だ。毒についても同じ。


 ちなみに、”治癒魔法Ⅰ”はこんな感じだ。


――――――――――――――――――――――――――――――――

>治癒魔法Ⅰ

以下の魔法が使用可能になる。

【ヒール】

【キュア】

――――――――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――――――――――

>ヒール

軽い傷を治すことができる。

――――――――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――――――――――

>キュア

弱い毒にかかった者を治療することができる。

――――――――――――――――――――――――――――――――


 説明を見る限りあまりに役に立ちそうにないが、実際はそうでもないらしい。


 軽い傷といっても、普通の骨折ぐらいなら完璧に治してしまうそうだ。切り傷や打撲といった怪我に対してもそう。


 怪我をすれば動きが鈍くなるし、注意力や集中力も落ちる。毒にかかっても同じだ。


 つまり、パーティーに回復薬がいるのといないのとでは、発揮するパフォーマンスがまるで違ってくるわけだ。


 次は今までとはまったく違う新しいタイプのスキルだ。


――――――――――――――――――――――――――――――――

>蹴空

空中を蹴って足場にし、移動することができる。

――――――――――――――――――――――――――――――――


 これはとてつもなく便利――というか、あるのとないのとではまったく戦い方が違ってくるスキルだな。


 モンスターの中には、少数だが空を飛ぶタイプのものが存在する。


 通常であれば、そういったモンスターに対しては非常に不利な戦いを強いられることになるが……。


 このスキルがあれば、そういったモンスターに対しても対等な土俵で戦うことが可能になる。


――――――――――――――――――――――――――――――――

>飛行魔法

空中を自由自在に移動する魔法。

――――――――――――――――――――――――――――――――


 こっちも同じような感じだ。


 ”蹴空しゅうくう”は戦士系が身に着けるスキルだが、飛行魔法はその名の通り魔法使いが身に着けるタイプのスキル。


 違いは、蹴空は魔力消費が少ないぶん動きはやや直線的。飛行魔法は逆に魔力の消費が多いが、その代わりかなり自由に動けるらしい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る