第13話 現実
朝6時。
結局、ずぅ〜っとチャットし続けて、案外楽しくてあっという間に時間が過ぎていく。
『リアル』では恥ずかしくて話せないこともチャットなら伝えられるんだよな。
『じゃあさ、大学卒業したら、会おうよ!』
「え〜?そんな先なのかよ?」
『じゃあさ、今会う?これから直ぐに!』
「それはそれで、恥ずいんだけど?今日これから学校だし!」
『よし、学校で会おうよ!』
「何処だよ、ルーちゃんの学校は?」
少し間があってから、
『埼玉県北部とだけ。』
微妙な間があったから、ゼッテー嘘だな。
多分だけど、初めて偽りの情報出してきたね。
「コッチは同じく埼玉県南東部。」
少しだけズラした位置情報を。
母方の爺ちゃんが元気だった頃に住んでいた街で、もし突っ込まれてもボロが出にくいからね。
『あっ、もうこんな時間!学校行く準備しないと。また夜にでもね、じゃあね〜?』
「じゃあね〜?」
※※※※※※※※※※
「大学、行くんだよね?」
『まだ、わからない。親の勧めだからね。成績的には問題なさそうなんだけど。進学なんて考えたことも無かったから。』
羨ましいぞ。成績気にしないくらいに頭がいいんだろうな。
「じゃあさ、大学卒業したら、会おうよ!」
『え〜?そんな先なのかよ?』
意外!私もそうだけど、会いたくなったのかな?
「じゃあさ、今会う?これから直ぐに!」
『それはそれで、恥ずいんだけど?今日これから学校だし!』
私も、いざ会おうと話すだけで、恥ずいぞ?
「よし、学校で会おうよ!」
『何処だよ、ルーちゃんの学校は?』
あっ、何処と答えようか?嘘にならない程度にズラさないと。
「埼玉県北部とだけ。」
微妙な間が出来てしまった。
嘘つきと思われたかな?
『コッチは同じく埼玉県南東部。』
突っ込まれなかった。良かった!
「あっ、もうこんな時間!学校行く準備しないと。また夜にでもね、じゃあね〜?」
『じゃあね〜?』
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