第11話 握手!

「急募、和菓子職人の嫁」


『詳細希望、当方JK2』


おっ、さっそく反応が。同じ学年か。

でも、こういうネット掲示板でのやり取りはホントの事を書き込むのは余り無いだろうから、全部じゃなくても半分くらいはニセ情報のつもりでいたほうがいいかもしれないな。

万一、ネカマだったとしてもガッカリしないくらいの心構えでいよう。

同じく、僕の情報も、少し『ずらして』書き込んでおこうか。


「はじめまして、詳細投下。当方高2男子、和菓子大好きなフツメン(と思いたい)。自分の和菓子店を持ちたいと思っていても不器用なので、一緒に小さなお店を商ってくれるパートナーを募集。だから、将来のお話として。」


『リョ、こちらは洋菓子大好きな和風美人(と自分では確信)。』


「おけ、なりすまし防止に、名前付けて。僕は、『和菓子屋あっくん』で!」


『名前を付けて』打ち込んで、リターンキー押してから、シマッタと思ったけどもう遅い。まあ、あっくんくらいなら何人でも居そうだからいいかな?


『こちらは、「洋菓子屋さんルーちゃん」でいいかな?』



※※※※※※※※※※



「こちらは、『洋菓子屋さんルーちゃん』でいいかな?『名前』の付け方、これで合ってる?」


『名前を付けて』打ち込んで、リターンキー押してから、シマッタと思ったけどもう遅いわね。まあ、ルーちゃんくらいなら何人でも居そうだからいいかな?


『おけ、親から進学を強く勧められて和菓子職人への道を閉ざされそうで、泣きたくなってしまった今日この頃、慰めてくれる人も募集中!』


「お〜、よしよし(頭ナデナデ)、こんなもんで、どう?byルーちゃん。」


『え〜ん、からのニコニコ、ありがと〜』


「ところで、どして、和菓子職人への道を閉ざされそうなのかな?」


『話せば、長く、重くなるから、おいおい話すことにしてもいいかな?』


どつかで、聞いたような、お話だね。


「いいよ〜、話したくなったら、いつでも聞くからね!じゃ、『握手!』」


『「握手!」、よろしくねっ!』

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