第4話 ギャルは苦手だし

「ギャル山、なんでここに!」

「モブ田、何であんたがっ!」


「………………………………………………」

「………………………………………………」


「山田だって言ってるだろっ!」

「桐山って言ってるでしょっ!」


「……………………あなた達、仲が良いのはわかったけど、ここがどこかわかってるかのかしら?」


「仲良くなんかありませんっ!」

「仲良くなんかないわよっ!」


「ところで、二人はいつ結婚するのかな?」


「しませんからっ!」

「しないわよっ!」


「………………………………………………」

「………………………………………………」

「………………………………………………」


桐山と、顔を見合わせてしまった…………

ソッポを向いた彼女を無視して……………


「……………………失礼しました。ご注文の品お届けがてら、売れ行きを確認させていただきたく?」


「ありがとね。ルーちゃん!裏の鈴木さんのご注文のお品だから届けてきて。お代は済んでるからお渡しだけだから。あと、あっくん?そんなに畏まらなくてもいいのよ?売上は、見ての通りね。予想以上に良いわね。あっ、せっかくだからあっくんもルーちゃんと一緒にお届けお願いできる?二人の結婚式場何処にする?それから〜」


「母さん?ルーちゃんてどういう事っ!」

「あっくんは勘弁してもらえませんかっ?」


マシンガントークのお母様。

また声が被ってしまった。

桐山、そんなに睨まないでほしいんだけど。

ギャルは、苦手だし。

お母様も、たたみかけるように途切れなく話し掛けられ続けるのも苦手なんですっ!


「瑠奈だからルーちゃん、明慶君だからあっくんでしょ?孫は早く欲しいわねっ!」


……………………ホント、勘弁してほしいんだけど。今すぐにでも逃げ出したいっ!


「さあ、サッサと二人でお届けしてきて頂戴。」


……………………結局、追い出されてしまった。




※※※※※※※※※※




ウフフッ、あの二人、全然覚えてないのね。

『ルーちゃん』『あっくん』って呼んであげて、ヒント出しまくってあげたんだけどな。

あ〜、これからが楽しみだわ〜。





作者より


本日は、もう一話投稿します。

お見逃しなく!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る