第15話 衝撃の事実――――――――えっ、知らなかったの?
レイモンドは、突然天国から地獄へ落とされるような気分だった。
(いや、元々僕ではなく、ルーファスの相手としてクリスタを連れてきたんだから、クリスタがルーファスに好意を持ってるなら、この後のことを考えると良い事なんだ)
頭では分かっていたし、だいぶ前に諦めた筈だったのに、クリスタに少しでも覚えてもらえていた事についつい喜んでしまい、その分余計に気持ちが沈んでしまった。
(駄目だ駄目だ、突然沈んだら変に思われる、気持ちを切り替えろ!)
クリスタが恥ずかしがって俯いてる間に、レイモンドは気持ちを切り替えようとする。
「あぁ、2人共もう来てたのか」
そこへルーファスが現れた。
「ルーファスさんっ!」
俯いていたクリスタが、嬉しそうにルーファスの名前を呼び顔を上げる。
(っ!! やっぱり辛いな、でも切り替えなきゃ。火龍の為……)
「うん、じゃあ、皆揃ったし説明をしようか」
§★§★§★§
先程とは少し雰囲気の変わったレイモンドの言葉に、気を引き締めるクリスタ。
(そうだった、イケメンとか
クリスタは、浮かれていた心を落ち着かせようとする。が、どうしてもルーファスの顔をチラチラと見てしまう。
「?? 俺の顔に何か付いてるか?」
クリスタの視線を受けて、ルーファスが不思議そうに問うてくる。
「ルーファスが男前だから見惚れてるんじゃないかな? 別にそれはいいんだけど、大事な話だからちゃんと聞いてね?」
レイモンドにそう言われ、クリスタは顔から火が出そうな恥ずかしさを覚えた。
(見惚れてる?! ちがっ……うこともないのか……駄目だ見惚れてる場合じゃない! 真面目に聞かないと!)
そしてレイモンドは、クリスタが龍の巫女だという事と、その龍の巫女の詳細を話しだした。クリスタは知らない事だが、エドワードがアレクサンダーに話していたものと同じ内容だった。
そして、説明の最後に、ルーファスが火龍の子供だから、クリスタにはルーファスを火龍にしてもらう為に、ここへ連れてきたのだとつけ加えた。
「……は? クリスタと俺の力を合わせて、封印されてる火龍を復活させるって言ってなかったか? 俺が火龍の子供って? そんな事言ってなかったよな?」
ルーファスも初めて聞いた話だったようで、レイモンドに問い詰めている。
「これは僕だけしか知らない事だったんだ。周りに悟られてはいけないから、クリスタが目覚めてからじゃないと話せなかった」
「いや……レイモンドの方が力強いし、俺じゃなくレイモンドが火龍の子供なんじゃ……」
「ルーファスが火龍の子供なんだよ。僕は君の母である女性と共に、火龍によって数百年前の過去から16年前のこの時代へ送られてきたんだ。ルーファス、君は昔の記憶があやふやな所があるだろ?」
「えっ? 記憶があやふや……?」
「君は生まれた時から最近までずっと眠っていたんだ。それまでの記憶は君の母と僕が魔法で植え付けたんだよ」
「は??? いや、だってレイモンドのことは幼い頃からずっと知ってる……それも偽りの記憶だったのか?」
「そうだね、その記憶は全部ほんとにあった出来事なんだけど、そこにルーファスは居なかったんだ」
*―*―*―ちょっと独り言―*―*―*
やはり私には、筋肉が無い真面目な小説は無理なのか……。気付けばいつの間にか
↓筋肉好きなのがわかる近況ノート
https://kakuyomu.jp/users/sa-ka-na/news/16817330663200471597
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