第1章 恋愛までの道のりは長い、本当に長い
第1話 クリスタという少女――――生い立ちがテンプレですね!
クリスタは、物心ついた時から孤児院で生活をしていた。
孤児院に入った頃の院長は、とても優しい人物で、子供たちにも愛情を持って接してくれていた。しかし、クリスタが来た頃には既に高齢だったので、1年前に亡くなってしまったのだ。
代わりに来た院長は若かったが、前院長とは真逆な人物で、子供たちへ使うはずのお金を自分の私腹を肥やすために使い、機嫌が悪い時は子供たちに暴力を振るうような酷い人だった。
クリスタは、4歳になると他の孤児院の子達とともに、お小遣い稼ぎをしていた。
前院長の時は、歳上のお兄さんお姉さんと一緒に、孤児院で作った小物等を街へ売りに行っていたのだが、新しい院長に代わってからというもの、ある一定の年齢以下の子は、服や身だしなみを整えることができなり、クリスタは街へ行けなくなってしまったのだ。
しばらくして、小さな子たちのお小遣い稼ぎの収入が無くなったことを、不快に思った院長は、森へ薬草を摘みに行けば良いのだと閃き、幼いながらも一番体力のありそうなクリスタを、危険な森へ向かわせることにした。
しかし、まだ幼いクリスタが森へ入るのを見られたら、近隣の住民に何かを言われるかもしれない。孤児院の印象が悪くなったら困ると思った院長は、人が少ない早朝にクリスタを森へ行かせることにしたのだった。
そして、あの日もクリスタは、早朝から森へ薬草を摘みに来ていた。
しかし、中々目当ての薬草を見つけられず、いつもとは違う場所へ出てしまい、そこで光り輝く
§★§★§★§
(うわぁ、おっきな建物だなぁ)
一番体格の良い筋肉〈の塊のよう〉な騎士と共に、馬に乗って辿り着いた先で、クリスタは何の
馬から降ろされ、筋肉〈と書いてマッチョと読む〉な騎士に抱っこされ、身体の周りがぼんやり青色に見える金髪なイケメンの後ろについていく。
(えーと、何か、凄く、頭とか顔面とかが輝いてる人だな……ていうか、これから私どうなるんだろう?)
不安を胸に、
「よし、ここで汚れを落としてから私の部屋へ連れてきてくれ。話はそこでする」
前を歩いていたイケメン……金髪で透き通るような水色の瞳を持つ、整った顔だちの若い男が、クリスタを抱っこしていた筋肉な騎士にそう伝えた。
「畏まりました。後で殿下の部屋へと案内します」
筋肉な騎士がそう言うと、殿下と呼ばれた男は去っていった。
(なんか冷たそうな人だったなぁ)
イケメンだが、全く表情が動かないので、クリスタは殿下と呼ばれた男にそんな感想を抱いていた。
そして、筋肉な騎士は、殿下と呼ばれた男の姿が視界から消えると、抱っこしていたクリスタを降ろし目の前の大きな扉を開く。
『よろしくお願いいたします』
扉を開いた瞬間、複数の女性達が三つ指をつき揃った声で挨拶をしてきた為、クリスタは驚いて後ろへ下がろうとした。が、筋肉な騎士にぶつかり逆に前へ出てしまった。
(うひゃぁ、筋肉にはじかれた!)
クリスタは筋肉の意外な弾力に驚きながら、転けないように頑張って踏ん張った。
「ここで綺麗にしてもらうと良い。私は外で待機している」
クリスタが一生懸命踏ん張っていると、筋肉な騎士がバリトンボイスでそう言った。
(えっ、ええ、多分これ、広すぎるけどお風呂? だよね? この人達と一緒に入るのかな?)
クリスタは、人に洗ってもらう事なんて無かったので、斜め上の解釈をした。
そして数分後、自分の考えが間違っている事に気付くのであった。
*―*―*―ちょっと独り言―*―*―*
ついつい筋肉の騎士の〈 〉で遊んじゃった。筋肉のワードに反応してしまう奴(*ノω・*)テヘ
※ちょっとやりすぎたので少し修正しました(^_^;)
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