第14話陛下からの話と…

 レインローズ王城で数ヶ月が過ぎた…。その間の出来事と言えば…主に女性陣との、主に女性陣との関係だろうか…。大事な事なので2回言いました。まあ、そこら辺のお話はまた今度話すとして…。


 今日は陛下から話があるとの事。王の間に赴くとレインローズ陛下に、ティーネ王妃、ランスにティア、そして母さん達といった馴染の面々が既に顔を揃えていた…。


「―来たか…エル」


「はい、陛下」


「この場に居る者達には既に話はついておるのじゃが…」


 この場に居るみんなが知ってるという事か?


「わし…いや、余は本日を持って王の座をエル・フォン・アルタイルに王の座を譲ろうと思っておる…」


「!?」


 本日を持って!? 些か早過ぎる気が…


「お主ならこの国を良き方向へと導いてくれるじゃろうて…わしと違いのっ」


「そんな事は…」


「……それにの、わしも歳を取り過ぎた…後は言わずとも分かろう?」


「エル君…陛下のおっしゃられる通り…あなたなら…出来るわ」


「ティーネ王妃…」


「それに…ほら、ティア…報告しないといけない事があるでしょう?」


「っ!? お母様!?い、今ですか!?」


 何やらティアが慌ててる?


「今言わないとエル君が決心出来ないでしょう?あなたの事だからこの後エル君と二人っきりになってから報告して、イチャイチャしたいとか思ってるのでしょうけど…それはいつでも出来るわ…」


「い、イチャイチャしたいなんてっ!?す、少ししか思ってません!」


 思ってたんだね…ティア?


「それで…ティアは一体何を?」


「っ〜〜〜!? え、え〜とね…」


「何か言いにくい事?」


 何かやらかしたか?


「ち、違うの………こ、こないの…」


「こない?」


 こないって…虫こ◯い?


「つ、月のモノが…こないの…」


「月のモノって…まさか…」


 照れながら俯き、首を縦に小さくコクンと振るティア。


「エルの子が…ここに…」


 お腹を優しく擦るティアに駆け寄り、抱き上げて、それから優しく抱き締める…


「ホントに?」


「…うん」


 俺の子が…ティアのお腹に…宿っている…


「嬉しい…嬉しいよ、ティア」


「えへへっ…私も…嬉しいし…幸せ…」


「それって、マっ!?こりゃ、ティーネ!わしにも黙って置く奴があるかっ!」


「サプライズですわ、陛下」


「なんと…ほんにめでたい…わしもようやく祖父に…ティア、よくやってくれた」


「ティア!エル!本当におめでとう!」


 ランスやみんなから祝福の言葉が…


「お父様…」


「おっぱいが小さいので心配しておったが…」


「―殺しますよ、お父様?」


 うん、ティアは本気で殺気が洩れてるね…陛下は余計な事は言わないで欲しい…


「じょ、冗談ではないか…」


「言っていい事と悪い事がございますよ、お父様? 孫の顔を五体満足で見たいのなら金輪際言わない方がいいですよ?」


「も、もう言わんわい…わしを脅すんじゃないわい…」


「陛下…もう一つのお話を先に…」


「…そうじゃったな…」


 えっ、まだ何かあるの?ティア…も、どうやら知らないみたいだ…首を傾げている…


「ランス・ド・デネブよ」


「は、はい!」


 急に名前を呼ばれてビックリしているな、ランスは…


「そなたにはデーヴァ国の新しい王になってもらい、エルと共に両国を盛り上げて豊かにしてもらいたい…既に同盟国にもその旨を伝え了承を得ておる…正式な物は後日になるがの…」


「僕が…」


「ランスなら俺は出来ると思うよ?」


「…エル…協力し合ってくれるかい?」


「勿論」


 そして…俺達はそれぞれの国の王になる事になるのだけど、話はまだ終わってなかったんだ…

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