第13話Side散った王妃達…

 皆さんお気づきだろうか?あの者達はどうなったかというのが語られていない事に…。


 勿論それが気になっている人もいるだろう…。もしかしたら一文しか出ていないのでその存在を忘れられているだけかも知れないが…。


 とにかくこのお話は己の命を懸け、自国の民を護った王妃達の知られざるエピソード…



「ほ、報告致します!敵軍の追撃隊がそこまで迫っております!」


「王妃様方!ここで我等が食い止めてみせますので、急ぎ退避を!」


 兵が言った事を王妃達は冷静に受け止め…そして決断する…


「どうやらこのままでは逃げ切れませんね…」


「そのようですわね…」


「…残り少ない命を懸ける時がきたようですわ」


「ですわね…」


「もうひと目…陛下にお会いしたかったですわね…」


「…仕方ない事です…まあ、あの世とやらがあればあっちでたっぷりと可愛いがってもらう事に致しましょうか…」


「そうですわね。回数的に物足りなかった分…あっちではハッスルハッスルしてもらうと致しましょうよ…」


「ふふふふふ…そうですわね。絞りとってあげましょう…」


「では…皆さん。御覚悟は宜しくて?」


「「「「「勿論ですわ…」」」」」


 そして…剣を手にその場に王妃達は留まる事にしたのだった…



 数刻もしないうちに敵軍の姿を視界が捉える。


「来ましたわね…」


「あらあら…あんな少ない数で私達を仕留められるとでも?」


「若かったら…十分迎撃出来たわね…」


「私達はまだ若いわよ?」


「さあ、皆さん!お喋りはそこまでに致しましょう…」


「死んだら化けて出てやりましょうよ!」


「それ、フラグというのでは…」


「行きますよ!」


「ヒャッハーーーーーーーーー!」


「ま、待ちなさい!そんなに走っては…」


 第6王妃が勢いよく敵へと駆け出す…


「ヒャッハーー はっ…ぐっ!?」


「第6王妃?」


「ごめんなさい…先に…逝っ…てるわ――」


「「「「「第6王妃ぃぃぃぃぃー!」」」」」


 〜第6王妃 戦場にて心臓麻痺により御逝去〜



「馬鹿…馬鹿なんだから…」

「そんな急に駆け出したら…」

「心臓麻痺を起こすに決まってるわ…」

「よくも…第6王妃を…」

「あなた達が攻めて来なければ死ぬ事はなかったのに…許さない!」


 第6王妃の死を怒りへと変え、5人の王妃は敵を斬り伏せていった…。


「なんだ、このババア達は!?」

「強い!強過ぎる…」


 敵のそんな声が戦場に響き渡る…


「なんだかんだと聞かれたら―」

「答えてやるのが世の情けっ―」

「名乗ってあげましょう…」


 5人がポーズをつけながら名乗りをあげる…


「第1クイーンじゃい!」

「第2クイーンじゃい!」

「第3クイーンじゃい!」

「第4クイーンじゃい!」

「第5クイーンじゃい!」


「「「「「5人揃ってゴ◯ンジャー!」」」」」 


 そして…ポーズをつけるそんな5人に流れ矢が飛んで来て…


「がふっ―」

「あふ〜ん―」


「第2王妃ぃぃぃーーー!」

「第4王妃ぃぃぃーーー!!」


 戦場に悲痛な叫びが…


 〜第2王妃 第4王妃 敵矢により御逝去〜



「よくもー!」

「3人の敵ぃぃぃ!!!」

「死に晒せ!クソどもがぁぁぁぁぁ!」


 そして…また一人…


「ごふっ…」


「だ、第5王妃ぃぃぃー!?」


 〜第5王妃 敵と相討ちにより御逝去〜



 敵軍も残り僅かと言った所で…


「後少しよ、第3王妃」


「………」


「第3王妃?」


 傍に駆け寄り呼吸を確かめる第1王妃…


「し、死んでる…」


 〜第3王妃 老衰により御逝去〜



 亡くなった5人の分も闘うかの様に…いや…亡くなった5人の魂が第1王妃に力を貸したのかも知れない…。第1王妃は敵軍を蹴散らし…右拳を天へと掲げ…生き残った兵達に告げた…


「我が人生に一片の悔い…なしっ!!!」



 〜第1王妃 ラ◯ウポーズをとりながら御逝去〜


 王妃達はやり遂げたのだ…。民達を護ったのだ…


王妃達は伝説となった…

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