第15話マジっすか!?

「さて…これで取り敢えずの話は終わりかの…」


「まだですわ、陛下」


「またか…ティーネよ」


「サプライズとはそういうものですわ、陛下」


「―誰に対しての、サプライズなのか…」


「そう言われますと…新王に対してですわね」


「俺…いえ、私ですか?」


「ええ…そうよ、エル君」


「ティアは何か聞いてる?」


 俺に話を振られたティアは首を横に振っている…またもやティアが知らない事なのか…

本当にティーネ王妃はサプライズが好きなんだな…。


「エル君…あなたはやはりなのだと思うわ」


「特別?」


 転生者の事を言ってる?


「予言か…」


 予言?


「ええ、その証拠にあなたと関係を持った女性…全員妊娠していると思われるわ…」


「「えっ!?」」


 俺とティアの声がハモる…。今、全員と言ったよね?


「な、なんと…それはめでたい…」


 陛下ありがとうございます…


「エル…君の命中率はどうなってるのさ…」


 こっちが聞きたいよ…


「みんな、本当に?」


「「「「「「「「はい」」」」」」」」


 その後は一人一人話をして抱き締めあった。まさか全員妊娠しているとは…


 これこそ本当にサプライズだね…。



***


 そしてまた日は進み…


「「「「「エル新王様!!!!!」」」」」

「エル王バンザーイ!」

「新王の誕生だ!」

「凛々しいわ、新王様…」

「ホント…それね」

「エル様ぁぁぁー」



 国民達にも温かく迎え入れられ…


「「「「「ご結婚おめでとうございますー!」」」」」

「ティア王妃の綺麗な事…」

「ティア様素敵…」

「美男美女でお似合いよねぇ〜」

「ティア王妃の幸せそうなお顔…」

「一気に何人もと結婚…しかも全員妊娠しているときたもんだ…」

「エル様、凄過ぎでしょ…」

「本当よねぇ…」

「種付け隊の噂も聞いた?」

「どんな?」

「しばらくは種付け隊にエル新王様も加わるかも知れないらしいの」

「それって、まっ!?」

「人も少ないからね…」

「あ〜、確かに…。この間迄戦争してたしね…」

「争いなんて…悲劇しか産まないのにね」



 まあ、とにかく俺は王となった。ランスはデーヴァ国の王に…。ハートネス王妃は長女に国を任せ、ミリアと共にレインローズ改め、アルフォンス城へとやって来た…。勿論関係を持った女性達とは全員結婚式をあげた…。

 


 

 そして…時は流れて1年後…ティアが出産…。


「お疲れ様、ティア。それとありがとう。俺を父親にしてくれて…」


「ううん…こちらこそ私を母親にしてくれたんだもの…幸せだよ、エル」


「俺も幸せだよ、ティア」


 俺とティアの子は男の子だった…。そしてミリアとの子も男の子…。マリン、レイラとの子も男の子………………………関係を持った女性が産んだのは全員男の子だった…。


 ただの偶然?―まあ、とにかく男性が一気に増えたという事で自国だけではなく…同盟国をも巻き込み沸きに沸いたのだった…。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る