第8話ようやく…
デイルを倒した俺達はデイルの首を持って王の間へと急いだ…。
「―あなた達の王、デイルは討ちました!戦いを止め武器を捨て投降しなさい!これ以上の戦いは無意味でしょう―」
ティアの声が王の間に響き…そしてその報せはやがて城下町の敵軍にも伝わり戦いが終わる…。
「ティア…」
「エル…終わったね?」
「うん、みんなも無事みたいだしね」
みんな俺の姿を視界に入れるとこちらへと駆け寄って来る…真っ先に駆け寄って飛び込んで来たのは…
「エル〜〜〜〜〜ぅぅぅ!」
ど〜〜〜ん!
「がふっ…母さん…勢いつけすぎっ…」
「そんな事よりも全く!黙ってついて来たのね?」
ぷりぷり―っと、母さんが怒ってらっしゃる…
「それは…ごめんよ、母さん。でも俺は母さんを始めとしたみんなが心配で…」
母さんから目を背けると顔をぐっと掴まれ、引き寄せられ…
「んっ…」
「んむっ!?」
「「「「「「「「ああーっ!?」」」」」」」」
重なっていた唇が離れていく…。
「母さん?」
ジト目で母さんを見るも母さんには効かない様だ。
「母さん頑張ったんだからいいんだも〜ん♪美味しかったよ、エル?」
美味しかったよ、じゃあないんだけどね?とにかくみんなと抱擁、唇を重ねる…。最後はミーニャだ。事の顛末を詳しく聞いた…。ミーニャはデーヴァ国のお姫様でデーヴァ国をデイルが率いてこの戦いを始めた事。そして…母親と戦った事も…。
「ミーニャ…」
「エル様…」
「何て言えばいいのか…」
「…私は大丈夫ですよ?お母様からも幸せになるようにと…最期に御言葉を頂きましたし…それに、私達からしたらあの男は最低のクズでしたが…お母様からしたらあの男は…お母様の全てを捧げた男だったのですから…」
「…そうなんだね」
確かに…恋とはそういうものだよな…。好きになるというのはその人だけの大切な気持ちだ…。他人から、あの人のどこがいいの?あの人ダサくない?とか言われてもその人にしか分からない気持ちなのだから…。
そして…地下牢からクララ宰相を解放。クララ宰相はかなり体が弱っていたものの命には別状はなかった。そして…その状態である2人の元に赴いた。
「…久しぶりですね、2人共」
「「お久しぶりでございます、クララ様」」
「私は…あなた達のお母さん…ベガ公爵とスピカ公爵に助けられました…」
クララ宰相は籠城戦に持ち込んだものの攻め込まれて自分の命もここまでと覚悟していたそうだ…。
よ
そこへ、ベガ公爵とスピカ公爵が乗り込んで来て自分の命も顧みずに敵軍と剣を交えたそうだ。
そして…敵軍の数をかなり減らして…
だから交渉の駒として人質代わりにクララ宰相は生かされていたという話だった…。
「…御母様…私も…御母様の様に誇り高くっ…」
「母様…」
「そして…今際の際…お二人から言伝を聞いております…」
「お、御母様は何と?」
「!」
「エル君の子種を貰って幸せにおなりと…」
「「っ!?」」
んっ!?ちょっと!?ちょっとだけ待とうか?聞き間違いだよなっ!?俺の名前が出た様な気が…
「これがお二人の願いでした…エル君頼みましたよ?」
聞き間違いじゃあなかったよっ!?
「「必ずっ!」」
ちょっ!ちょっお、待てよ!?必ず!じゃあないんだよ?そんな獲物を見つけた様な熱い視線を向けないで?それにそんな事になったらティアが…
「ねっ、ティア…」
「…エル」
「いや、勿論ことわ…」
「…2人の事宜しくね?」
ティア!?どうしちゃったの!?そこは駄目とか言うところじゃあないのっ!?
そしてこの後…リーンもいつの間にか話に加わりあっという間に関係を深める戦略を練られる事になる事を俺はまだ知らない…。
知りたくもねぇ〜よ!ちっきしょお〜〜〜!
***
2つの作品もどうか宜しくお願いします!
「今日のボクはどっち?」
https://kakuyomu.jp/works/16817330667728502573
「恋愛ゲームのヒロインにガチ恋」
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