幕間レインローズ陥落
レインローズ王がエルの住む領地にティアとティーネ、数多くの護衛を引き連れて行った2日後…
「クッ、クララ宰相!!」
「どうしたのです、そんなに慌てて?」
「も、申し上げます!東の砦が陥落、デネブ領地も既に…焼け野原と化した模様…」
「なっ!?」
「現時点で敵軍の正体は不明!敵軍の目的も定かではありません!」
「馬鹿な…テレサ殿は!?」
「エル殿の誕生祭に出席されご不在だった模様…」
「そ、そうでしたね…。当然出席しているわね…。私とした事が…しかしテレサ殿が居ないからといってそんな簡単に落ちるわけが…?」
「尚、敵軍は勢いそのままにこちらに向かって来ているとの報告も…入っております…」
デネブ領を滅ぼす程の敵軍…。情報が足らなすぎる…。敵の目的も不明…。
「…兵を集めれるだけ集めなさい!」
「「「「「はっ!!!!!」」」」」
「それと…王妃様方と子供は避難。アルタイル領地に向けて急ぎ出発の準備をさせなさい!」
「「「「「はっ!!!!!」」」」」
「北のベガ公爵と南のスピカ公爵に応援要請はどうなっている?」
「既に要請は完了しております!」
「ベガ公爵、スピカ公爵共に援軍を率いて既にこちらに向かってるとの報告も入ってきております!」
「…分かりました。準備を急がせよっ!ベガ公爵達が到着するまでは籠城戦を展開!到着後は挟み撃ちにして敵を一網打尽にしますっ!」
***
各自準備に取り掛かる…。無論私も…
「お母様!」
「リーン…」
「私もっ…」
「…あなたは私に万が一があった時の為に王妃様達と共にアルタイル領に向かいなさい」
「!? そ、それは…」
「あなたの優れた知が必ず必要になる筈です」
「っ…分かり…ました」
「…もう一度…リーンに会うつもりでは居ますが…リーンに会えて私は幸せでしたよ」
「私も…お母様に会えて…幸せでした」
血の繋がり等必要ない…。私はあなたを本当の娘の様に思っていますよ…
***
そして…あっという間にレインローズは戦場となり…
激しい攻防…
籠城戦に持ち込むも…私達は…
陛下…私は最期迄…あなたに仕えしとお御座いました…
「この国の王は逃げたか?」
そして…敵軍の中から黒衣の騎士が現れ…
「聞きたい事があったのだが…」
「男なのか?」
「あ〜ん?見て分かるだろ?男に決まってるだろ?んで、誰だ、お前は?」
「この国の宰相を仰せつかっている」
この男がこれだけの軍勢を集めた?
「ふ〜ん…まあ、いいか…。なら、貴様は知ってるよな?」
「…何を?」
「味噌や醤油…映画等を作った男がこの国にいるよな?」
こいつ等の狙いはエル君なのか?
「そいつは絶対に俺と同じ故郷なんだよ」
「故郷?貴様は何を…」
「おいおいおい…男の俺にそんな口の利き方するんじゃねぇーよっ!男の俺が子種をくれてやると言ったら何でも手に入る世界なんだぞ?この軍勢もたったそれだけの事で手に入ったんだ!!俺はこの世界では王だ!」
「…あなたと同じ男に何をさせたいのですか?」
「俺にはあっちの知識がない。こういうのは普通チートでくれるだろっ!?まあ、とにかく…この世界は不憫過ぎる!だから俺が…
そいつが死ぬ迄こき使ってやるよ!!!」
男の下品な笑いがそこら中に響いた…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます