第16話迎えた誕生祭②
―カチャッ…
部屋に入った瞬間鍵が閉まる音が耳に入る…。鍵を掛けたのは一緒にこの部屋へと入ったリンリンだろう…。
何故振り返って確認しないのかって?それは…目の前の光景から目が離せないから…。
「「「「「「「エル様、誕生日に精通、大人の仲間入り本当におめでとうございます!」」」」」」
「………ああ…うん…ありがとう…ね?」
「ん、エル様がツレナイ?」
「恥ずかしがっておられるだけでは?」
「ううっ…先輩、何で私がこんな…」
「もうすぐ…燃え上がるのではありませんか?」
「さあ、エル様!召し上がれっアルよっ!」
「ふふふっ、本当に楽しみね、エル君?」
「私は…あなただけの…アイドル」
「め、召し上がれ…って、まさか…」
「何を驚いているアル!早く頂いてもらわないと次の予定に差し支えるアル!ティア様も頑張る様に言ってたアルっ!」
コレを知ってたんだね、ティア…。そしてコレを知りながら頑張れと言ったのは…そういう事なんだよね?
「ん、エル様」
「…何かな、レーティ?」
「んっ…早く食べないと生物が傷んでしまう」
「……」
「さあ、エル様!箸を持って食べてあげるアルよっ!そんなに量は多くないアル!その間に私も準備するアルよ!」
説明を省こうか迷ったんだけど…一応説明した方がいいか?説明しないと分からないし、仕方ないかな…。
まずは…レーティから説明すると…机の上に裸で寝転がり…胸のポッチや大事な所を隠す様に刺身が添えられ…これってアレだろ?噂に聞く女体盛りだよなっ!?どこぞのアレがニュースに取り上げられいた女体盛りだろっ!?
コレ…本当に全部説明するのか?マジで?説明しないと先に進まない?分かった分かったから!
次にレーティの傍に同じく裸で机に正座して座っているのはエリン…。手には果実酒の瓶を持っていて…俺と視線が合うやいなや、ぐっ―と太ももを寄せて力を入れ…果実酒をソコに注いでいく…。レーティと違ってその表情は恥辱に満ちているのは気のせいだろうか?そんなに恥ずかしいならやらなかてよくねっ!?ワ◯メ酒!?ワ◯メ酒って奴だよな、ソレっ!?アウト!既にスリーアウトだよっ!?
ミーニャに至っては素っ裸でプラカードらしきものを持って立っている…。それにはこう書かれていた…。《どうか卑しいメス豚にお仕置きを》と。何それ!?イメージプレイ!?イメージプレイって奴!?ミーニャも何してんのっ!?
そしてその横には素っ裸にエプロンだけ着けたカイラさんの姿が…。裸にエプロンって奴ですか!?カイラさんも何やってるのっ!?
俺の後ろでは先程から服が擦れる音が聞こえるし…。見たくないな…。嫌な予感がビンビンに俺に警鐘を鳴らしているのだから…。見ないと駄目?本当に見ないと駄目か?…分かった…。俺も覚悟を決めよう…。振り返り確認するとやはり素っ裸に亀甲縛りをされて天井からぶら〜んぶら〜ん吊るされているテレサさんの姿が…。
えっ!?いつ吊るされたの!?さっきまで後ろに居たリンリンに吊ってもらったの!?えっ、自分で吊ったの!?そんな器用な事出来るわけぇ!?と、いうよりもいつ後ろに周り混んだの!?俺は一体どんな反応すればいいわけ!?どんだけぇぇぇ〜!?
リンリンは素っ裸にナース服姿…。何でナース服があるのか突っ込みたい所だけどっ…まだマトモ…だよな?
そして最後にミミ…。何でミミまで居るの!?俺が作ったアイドル衣装に身を包んでいる…。この空間で唯一ミミが癒しになっている気がするのは俺だけか?ちょっと待って!?そういえばさっき俺だけのアイドルって言ってなかった!?ミミの好きな人ってまさかの俺だったの!?
「さあ、一思いに早く!」
「ん、早く一人ずつ味わう!」
「しっかりと躾けて下さいませ!」
「久しぶりなのでお手柔らかにお願いしますわ」
「くっ…縛りすぎた!食い込みがっ!エル君、出来れば早く食べてっ!」
「美味しく食べるアル!」
「今日で私はアイドルを正式に引退するからね?あの時の約束叶えに来たから…」
「「「「「「「さあっ!」」」」」」」
一つだけ言わせて欲しい…。普通で良かったんじゃあないかと…。普通で良かったよね、絶対?何でそっちに走ってしまったんだろうか…?数々浮かび上がる疑問の中…結局俺は…
***
「どこに行ってたの、エル?」
「ああ…ランスか。ちょっと…汗をかきすぎたからお風呂に…ちょっとな」
「そうなの?それにしてはやけに姿を見なかった気がするけど?」
「…たぶん…気のせいだよ」
「そうかなぁ? そういえば母さんの姿も見かけないんだよねぇ…」
ギクッ…
「ふ、ふ〜ん…そ、そういえば…うちの侍女と…さっき居たのを見かけた気がするよ?ホントだよ?」
「そうなの?それなら…心配ないね」
「ウン…ダイジョブダイジョブ…イマゴロツカレテネムッテルンジャナイカナ?」
「何でっ、急に片言なのっ!?」
「…気のせい気のせい!それよりも一緒に飲もうぜ?」
「えっ…ああ、うん」
そして…誕生祭も終わりに近付いた頃…
―バターン!
屋敷の玄関が勢いよく開かれ…
「へ、陛下ぁぁー!ご、ご報告致します!」
「…何事じゃっ?」
陛下が慌てて入って来た兵士に問う…
「も、申し上げます!レインローズ城が…落ち…ました…」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます