男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

第13話母娘の会話

「聞いてるんですかっ、お母様っ！！！」

「き、聞いてるわ」

「まったくもう〜！まったくもう〜！」

「…そんなにもうもうもうもう言って…ティアは牛なのっ？」

「お母様！？さては私の話聞いてませんねっ！？」

「き、聞いてるわよ…。でもね？ティアの初めては邪魔してないし、その後の事はティアが気絶した後の事だし、ティアが壊れちゃいそうだったから…仕方がなかった事でしょう？」

「うっ…それは…そうですけど…」

「ようやく…想い人と結ばれたのだからいいでしょっ？私が薬を盛っていなければ…精々キス止まりだった筈よ？」

「あうっ…」

「私に感謝こそあれど…文句を言うのはおかしくなくて？」

「あうあうっ…」

「さて…ここからは…私は一国の王妃の一人として会話をするわね」

　お母様の顔がキリッとする…。ここからは本当に真面目なお話をされるのでしょう…。

「まずは…あなたが起きた後の対応についてお話しましょうか…」

「は、はい…」

「ティア…あれはいけないわ…エル君を本当に一人占め出来ると思ってたのかしら？」

「そ、それは…」

「そんな事出来る訳がないのは分かってるわよね？そもそも男性が少ないのですから…」

「は、はい…分かっています」

「酷な言い方をしますが…あなたはまだ事の重大さが分かっていないように思えます…」

「っ！？」

「あなたが言った事により…エル君の精神的に問題が生じて使い物にならなくなったりしたらどう責任をとるつもりだったのかしら？」

「ぁっ……」

「この世の中で数少ない男性と結婚するという事はそういう事です…。あなたがエル君の正妻になるつもりならドンと構えて自分から他の女性を薦める位には最低でもならないと駄目ね…。一国の姫としてもそれ位の気概は欲しいわね…。現時点では一人の女としてもなってません」

「…はい」

「そこら辺…ミリア殿下の方が優れてるし、彼女の方が正妻としてふさわしいわ」

「！？　しょ…精進…します」

「宜しい…。これ以上は今日は言わない事に致しましょう…。エル君の誕生祭だしね…」

「はい…お母様…私が至らないばかりに余計なご心配をお掛けしました…」

「…私から一つだけアドバイスをあげるわ」

「な、何でしょうか？」

「まずは…そうね…。エル君の屋敷の女性達をエル君に関係を進める様に勧めなさいな」

「そ、それは…」

「駄目よ、ミリア殿下なら今の言葉に迷うことなく返事してるわよ？」

「…はい」

「なによりエル君に対しても失礼になるわよ？エル君が他の子と関係を持ったからといってあなたとの関係を変える男性なのかしら、エル君は？」

「そんな事はないです」

「そこを断言するのなら…もっとしっかりおやりなさい？」

「はい」

「それじゃあ…私はハートネス女王の所に行くわね。今後のお話もあるしね…」

「はい」

「ちなみにだけど…」

「？」

「エル君が抱いた女性は四人じゃないわよ？」

「えっ？」

「ちゃっかり母娘丼はたいらげさせてるわよ」

「…よ、ろこばしい事です」

「じゃあ…エル君の元に行きなさい」

「はい♪」

　ティアがいそいそとエル君の元へ…。

「まったく…エル君にどれだけ惚れてるのかしらね…うちの娘は…ふふっ…」

＊＊＊

〜その頃のエルの屋敷〜

「本当なのっ！？エルがっ…私の息子のエルがっ！？筆下ろししたといっちゎるめ！？」

「奥様…何を言ってるか分かりません」

「んっ……本当！それは間違いない」

「今のでレーティは分かったアルかっ！？」

「ん…当然。ちなみに…相手はティア殿下」

「ティア殿下アルかっ！？」

「ん、それだけじゃない。ミリア殿下に…マリン、レイラ、ハートネス女王もすでにエル様と関係を持ってる」

「「「「ええっーーー！？」」」」

「レイラ…とうとう…エル様と…良かったわね…レイラ…」

「母の私が出遅れたというの！？」

「奥様…次は私が行きますね？」

「そうは問屋がおろさないアル！私アルよっ！」

「ん、寝言は寝て言うべき…次は私」

「娘が抱かれたのなら私も…」

「ちょっと！私も居ますからね先輩方！」

「分かったわ…ここは…協力しあいましょう？」

「…それが宜しいかと…」

「今日はエル様の誕生日だしアル」

「そうですわね…精のつく食べ物をしっかり本日もご用意しますわ」

「ん…当然」

「先輩の指示に従いますよ」

　そんな話し合いが行われている事をエルは知らなかった…。

＊＊＊

あとがき

是非こちらの作品も宜しくお願いします！

『恋愛ゲームのヒロインにガチ恋』

https://kakuyomu.jp/works/16817330664854254414