第11話アタシも大好きだから…

〜ミリア視点〜



 アタシはゆっくりとダーリンとティアちゃんの元に近付いて行く…。ダーリンの荒々しい息遣いといやらしい音が辺りには響いてる…。


 そして…それと同時に何度目かの行為を終えたダーリンが私を視界に捉えたみたい…。


「はぁはぁ…ミリ…ア? はぁはぁ…どうして..ここに?」


「ティアちゃんはもう…限界だよ?」


「…ぁっ……ふぅふぅ…俺は何で……ミリア…悪いんだけど…はぁはぁ…ティアを…」


「ティアちゃんを頼むってダーリン…はどうするつもり?」


「お、俺はここで…ふぅふぅ…体が元通りになるまで…はぁはぁ…急いで…このままじゃあ…ミリアまで…」


「ダーリン…」



 辛そうなダーリンを見ると胸が痛くなる…。アタシだってあの時からずっと…それこそティアちゃんにだってこの想いは負けてない…。アタシだってダーリンを大好きなの…。アタシの人生にはダーリンが必要なんだよ?さっきまでアタシはダーリンの溢れた性欲を受け止めてあげられるか少し怖かったけど、ティアちゃんやアタシを気遣うダーリンを見てたら勇気が湧いてきた…。


「ダーリン…アタシは大好きだよ?」


「ミリア…何を…」


「だから…アタシがダーリンの全てを受け止めてあげるから…来て?」


「それ…は…」



 アタシはダーリンに近付き強引に唇を奪う…。舌を絡ませ…まさか初めてのキスが大人のキスするなるなんて予想外だったけど…


「んぐっ…」


「んぐっ…んぐっ…ぷはっ……アタシ…本気だから…責任はとってもらうけど…ねっ?」


 アタシは精一杯の笑顔でそう言ってダーリンを押し倒して…




 そして…破瓜の痛みに耐えながら思った…


 ダーリンの全てを受け止めてあげるからと思っていたアタシに言ってあげたい…



 こんなの…無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理!?とてもじゃないが受け止めきれない… ―と。


 特に三回目になると…アタシも…なんだか…気持ちよくなってきて…。ダーリンは回数を重ねる度に上手くなってる気がする…。とにかくアタシは…


「これ…これ以上は…あうっ…死んじゃう…死んじゃう…死んじゃうからぁ…」


 エッチな書物に書かれていた台詞は本当だったんだなと思う…。こんなの大袈裟に書いてるだけよねと思っていたアタシは浅はかだった…。


 テクニシャンは存在したのだ…。目の前に…


 だってアタシの口から勝手にこんなエッチな言葉が出てきてしまうのだから…。

 

 そして…4回目に突入すると同時にアタシの意識は…なくなった…




***

〜王妃達視点〜



「…ミリアちゃん…意識失ったんじゃない?」


「ミリア…三回目でダウンなんて…私の娘ならもう少し頑張りなさいよね?」


「ここは経験者のハートネス女王が行くべきでは?」


「…へっ?」


「経験者じゃないと意識保てないのではと思うのよね…」


「わ…私の出番はまだよ…」

(あんなの…経験した事ないし…無理ね…)


「マリンちゃん…レイラちゃん…どっちから逝く?」


「…レイラっち…」


「な、何…マリンちゃん!?」

(私!?もしかして私から!?)


「あ〜しから…行ってもいい?」


「えっ?」

(アレ見て行けるのっ!?凄い…)


「マリンちゃん…流石ね」

「ええ…ええっ…本当に凄いわ、マリンちゃん」


「あの日からの想いを…あ〜しはぶつけるし…」


「私だって…! 私もマリンちゃんの次に想いをぶつけます!」


「2人共…よく言ったわ…勇者よ…貴女達2人は勇者よ」

「娘のミリアを宜しくね…マリンちゃんにはこの言葉を贈るわ…いっぺん死んでみる?」


「死なね〜し!?贈られて困る言葉しっ!?と、とにかく行くしっ!」


 そして…また一人勇者が魔王の元に向かった…。

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