幕間名物コンビ
「ん…んむっ…わしは一体…」
「お目覚めになられましたか、陛下」
「…わしはどうやら悪夢を見ておったようじゃ…」
まあ、悪夢と思わせておけばいいでしょう…。クララはそう思った…。
「―って、そんなわけあるか〜い!」
「チッ…」
相変わらず余計な事は覚えていやがる…。
「今、舌打ちしたっ!?したよな?」
「…陛下、顔だけではなく耳迄悪くなったのですか?」
「さらっとディスるでないわい!それよりもわしのティアがっ…」
「…陛下のティア殿下ではありませんが…どうかしましたか?」
「わしのティアの唇が…奪われてしもうたぁぁぁぁーーーーーぁ!!!」
「…モノは考えようですよ…陛下」
「…どういう意味じゃ?ティアのファーストキスが奪われた事より重要な事があるとでも?」
「想像して下さい、陛下」
「…何をじゃ?」
「じぃじと駆け寄ってくる孫の姿を…」
「な…なん…じゃと…」
「ティア殿下とエル君の子供ならさぞかし可愛い子供で生まれる事でしょう…。そんな子がじぃじ、おんぶ!じぃじ遊ぼう!じぃじ、手を繋ごうと言ってくるのですよ?」
「がはっ!?」
「極めつけにじぃじ、ちゅう〜!等はいかがでしょうか?」
「…ええのぅ〜…孫…か。これが世にいう孫パワーというやつか?」
「その通りです…」
「あい、分かった!ティアをここへ」
「? ティア殿下を?」
取り敢えず呼べと言われたからには呼んでみたのだが…
「陛下…何か?」
「お父様でよい…」
「あっ…それは結構です…それよりも何のご用件でしょうか?」
「ティアよ、生理はもう来たか?」
「「はっ?」」
これはまた、お馬鹿な事をお聞きになられましたな…。ビックリしてティアちゃんとハモッてしまいましたよっ!?
「―じゃから、生理は来たか?初潮じゃ、初潮!大事な事じゃ!」
「最低です…」
「それは最低ですよ、陛下?」
「大事な事じゃろう!?エルと子を宿すのなら!」
「エ、エルとの子供……あわわわわ…想像するだけで可愛い過ぎる…」
「ティア殿下!?しっかり…このゴミは最低な事を聞いているのですよ?ビンタして自室でそれは想像して下さいませっ!?」
「はっ!?そうでした!ありがとうございます、クララさん!」
「おい、宰相ぉ!?ゴミって…」
『バチン!』
「最低です!」
王の間に鳴り響くビンタとティア殿下の罵倒…。ティア殿下はプンスカしながら部屋に戻って行かれた。陛下にはちょっとデリカシーを持ってもらわないと…。
「…所詮…信じられるのは己とおっぱいか…」
「一回死んでこい!」
「おまっ、わしはこの国の王ぞっ!?」
「私はあなたの補佐ですので…」
レインローズは本日は平和そうだ…。
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