第3部
第1話ここは…?
「………ル」
ん?
「…エル」
誰かが…呼んでる?
「ほらっ…エル!起きて!あなたの大好きなおっぱいよっ?」
…ティアの声?
その声に導かれる様に目を開けると、見渡す限りおっぱいの山。どこもかしこもおっぱいおっぱいおっぱいがいっぱい…。ここは夢の国かっ!?
すると俺の目が覚めるのを待っていたかの様におっぱいの山の一つが噴火…。ミルクと共に一つの黒い影が射出された!その黒い影は空中を回転しながら俺の目の前へと降り立った…。その姿はまるで鬼…。赤いフンドシ1枚だけ身に着けておりそのフンドシには黒字でデカデカとおっぱい命と書かれている。そして…
「お前もおっぱい教徒にならないか?」
満面の笑みでソイツは言った…。顔をよく見ると…それは知っている顔で…
「―って、陛下じゃねぇーかぁぁぁー!」
***
「…今のは…夢?」
視界が真っ暗な中で俺はそう呟いた…。何やら息苦しい気がする…。柔らかい感触に包まれている感じはするんだけど…。柔らかいモノを退かそうと手でそれを掴む…。
むにゅん…
何だ…この感触…
むにゅんむにゅん…むにゅん…もみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみ…
「んっ…」
―声っ!?
俺は懸命に体をずってそこから移動する。
するとそこには砂浜に横になってぐったりとしている褐色肌の女性の姿。ミーニャと殺りあった女性だ。
「あの時…確か…船が大きく揺れて…揺れたと思ったら体が傾いて…」
そこから記憶がないものの、辺りを見渡し現状を確認すると分かる事がある。
「たぶん…船は沈んだんだな」
少しだけ船の一部と見られる加工された木片もあるしね…。それにしてもよく助かったもんだよね?奇跡としか言いようがないよね…。
それとこの女性も必死に俺を助けてくれたんだと思う。その証拠に抱き抱えられていたしね…。まあ、そのせいで胸に埋まっていたのであんな夢を見たんだと思う。
えっ…感触!?そんなのハリがあって大変揉みがいがありました!―って、何を言わせるんだよ!?
彼女を移動させようにもこの体ではとてもじゃないが無理だ。彼女の呼吸を確かめるとしっかりと呼吸はしているみたい。取り敢えず彼女が目覚めるのを待つ事にしたんだ…。早めに目覚めてくれるといいけど…。
***
太陽の位置から察するとたぶん…昼前位だと思う。
「…うっ…ううん…」
彼女の目がゆっくりと開いた…。
「目が覚めた?」
「…あ〜しは…」
「乗っていた船が…沈んだんでしょっ?」
彼女から話を聞くとやっぱり船は沈んだみたい。波に全てが呑まれる寸前に必死に俺を抱えて海へと飛び込み浮いてた船の破片に掴まっていたらしい。
マジで九死に一生ス◯シャルだよっ!?
そんな話をしながら彼女と流れ着いたその島を見て回る。
流れ着いた場所はそんな感じの無人島。ただし辺りには他に島も何もない…。見渡す限りの海…。前もそう言った様な気がするな…。
とにかく彼女と2人、そんな無人島にいるわけだから、協力しあわないとね…。
「あのさ、名前を聞いても?」
「そういえば…名乗っていなかったし…。まあ、名乗る名前なんてないし…」
「名乗る名前がない?」
「あ〜しは…捨て子だったし…。そこを王家直属の影に所属する奴に拾われて…ソイツから色々教わったし…。でも…ソイツからも名前なんて呼ばれた事なんてなくて、いつも番号で呼ばれてたし…」
「じゃあ…今日からマリンって呼んでいい?」
「えっ…」
安直過ぎたか?でも…
「任務は失敗したんだよね?―で、そういう場合って大抵は失敗したら死なんだよね?」
「…それはそうし」
「だから…一度死んだ事にして今日からマリンとして生きてくれない?―んで、僕に仕えてくれない?」
「変わってるし…得意なのは暗殺っしょっ…それでも?」
「うん、それでも」
「…即答し」
「当たり前でしょっ?」
「タラシの才能あるし?」
「そんなのないからねっ!?」
「…じゃあ…宜しくし、エル」
「宜しくね、マリン!」
こうしてマリンと一緒に無人島でのサバイバル生活が始まるのだった…。
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