幕間王城の地下にて…
〜王城の地下〜
王城の地下にある目的の為だけに作られた部屋がある。その部屋の中は流れたり飛び散った血痕の跡が生々しく残っていた…。拷問を行う為だけの部屋。この部屋が使われなくなってどれ位経ったかは定かではない…。そんな部屋へと通じる扉が久方振りに開いた…。そして…
「ギャアアアーーーー!!!」
「あがっ……も…もう…やめっ…」
「ゆる…し…」
一人…また一人とこの部屋へと連れて来られて…絶えず地下に響くのは懇願と言う名の痛みからくる絶叫…。
そんな部屋の中に団長のエリンと縛られた騎士団の団員が一人が連れられ入って行く。
「あ、あの…団長、一体何で私は縛られてこんな所に連れて来られたのですか…?」
「何で連れて来られた…か…。本当に分からないのか?」
部屋の中は血の匂い等が漂っていて、現在進行系で拷問が目の前で取り行われている。
「ひっ…だ、団長!?じょ、冗談は…止めて…」
「全て調べはついている…」
エリンは剣を抜き団員の眼前へと剣先を突きつけた。
「…エル様を引き渡す手引きをしたうえに仲間の命を奪った罪…」
「っ…」
「娘を人質に取られていたとはいえ…」
「…そこまで…知られている…のですね…」
「陛下直属の影を舐めるなよ?貴様の娘を人質にしていた輩達は既に処理済だ…」
「…娘はっ!娘は無事なのですかっ!?」
「…それを知りたくば貴様が知っている事、貴様が犯した非道を全て答えよっ!」
「…既にご存知だとは思いますが…娘を人質に取られて…エル様が王都に行く際に荷馬車をあの林道で壊れる様に細工するように言われました。そして…その際…料理か飲み物に眠り薬を盛るように言われて小瓶を預かりました…」
「…見ただけで貴様はそれが毒だと気付いた筈だろっ!」
「…は…い。私は…ソレが毒だと気付いたうえで…使用しました…」
「背中を預け合う仲間から…聞きたくは無かった言葉だな…」
「…私が後…知っている事は遙か北のゴールと言う貴族が関わっている事だけです…」
「…確かか?」
「雇われた者達の何人かがその名を口にしていたので…間違いない筈です…」
「…何故っ…何故ソレが分かった時点で私達に言わなかったっ!」
「…誰が仲間で誰が敵か…分からなかったからです…」
「…そうか………貴様の娘は無事だ。言い遺す事はあるか?」
「…背中を預け合ったみんなの墓前に…謝罪を…娘を…どうか頼みます…」
「…分かった」
―シュッ―!スパッ!―――ゴッ!ゴロゴロ…
「エリン団長…」
「…なんだ?」
「彼女の娘さんは…既に亡くなっていた事は言わなくて良かったのですか?」
「…犯した罪は消えぬとはいえ……子が…親より先に逝っていたという残酷な事実は…わざわざ伝えなくてもいいだろう…」
「…はい」
この
そして…アンビション王国と共にアンビション1世は歴史の表に現れてからわずか数年で歴史から消える事となる。
それはエルが消えてから数ヶ月後の出来事…。
***
あとがき
本日もジャンル別日間ランキング1位ありがとうございます!皆様のお陰です!本当にありがとうございます!
引き続き応援宜しくお願いします!
筆者のフォローもどうか宜しくお願いします!
熱が引き次第複数回更新頑張りますのでどうか!
作品は次回から第三部へと入る予定です!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます