第9話sideティア

「のぅ〜、ティアやっ?どうして口を聞いてくれないのじゃ?」


「…たった一つ…シンプルな答えです、陛下。陛下は私を怒らせたのです…」


「なにゆえ…なにゆえ…そんなことを…」


「御自身の胸に手を当てて考えて下さいませ…」


「しゅん…」


 陛下は…お父様と呼びたくありませんが、ホントにお父様は何を言っているのだろうか?しゅん―ではないですわ…。あんなに堂々と村の真ん中で女性の胸を熱く語るなんて…最低、最低ですわ、お父様。


「ティアよ…お主はまだ子供じゃから分からんのじゃ…。世の男性はそこにおっぱいがあれば目がいくというもの…。これ、すなわち本能なのじゃよ!」


 

 エルの村からの帰り道。全くもってお父様は反省等しておられぬ様です…。しばらく口も聞きたくないのですが…。


 道のど真ん中でまたもや熱くおっぱいについて語りだしたお父様は放っておくとして…本当にこの数日間は楽しかったな…あっ…お父様は除いてですよ?


 あの口の中に拡がる味噌の香りと味…。味噌田楽と言ったよね?後は宿で出た鯖の味噌煮…。本当にどうやったら私と同じ歳であんな事を思い付くのか見当もつかない…。しかも…しょうゆ?となるものも作っているらしいし、また食が拡がるって言っていたし…。私も色々エルに置いていかれない様に頑張ってるんだけどな…。


 それに初めて釣りをしたけど本当に新鮮だったし、面白かった…。魚がかかった時は竿から手に来る感触がブルブルって凄かった。またエルと行きたいとそう思う。でも…最初は魚がかからなくてエルの顔ばかり見ていたんだっけ…。


 サラサラとしたエメラルドグリーンの髪、女の子みたいなんだけど綺麗な顔立ち…。それに吸い込まれる感じがする淡いグリーンと淡いブルーの綺麗な瞳…。ずっと見ていたくなる…。エルを見ているとやっぱり心臓の鼓動が心地良いリズムを奏でる…。まだ私にはそれがなんなのかは分からない…。



 エルと居ると本当に色々な事を経験出来る…。エルが口元に付いた味噌を私が掬い取りパクっ…って、きゃぁぁぁぁー!私何やってんの!?今思い出しても恥ずかしい!!!何であんな事をしちゃったんだろう!?エ、エルが悪い…。うん、エルが口元に味噌をつけるから悪いの!そういう事にしておこう。


 そんな濃厚な時間を過ごせば帰りは泣いちゃうのはしょうがないよね?まだ一緒に居たかったんだもん…。でももうすぐ王都に来てくれるみたいだし…来てくれるのを待つしかないよね…。



 それからそれから…ミリア殿下が来てるとは思っていなかった…。それに婚約だなんて…。婚約するなら私と………あれっ…婚約って、結婚だよね?何で私…エルと婚約したいと思ったの…?


「聞いておるのかっ、ティア!?これ以上わしを無視するのなら、ス◯ーブラチラというス◯ンドを出すぞっ!これまたブラチラには夢があってのぅ…」


「いい加減お黙り下さい!今大事な事を考えていたのにお父様のせいで全てぱぁーになったではありませんかっ!何ですか、ス◯ーブラチラって!?どこまで私を怒らせればいいのです!もう、お父様とは一生口を聞きませんからねっ!」


「エルなら分かると思うんじゃが…」


「エルを変態と一緒にしないで貰えます?」


「変態…じゃっと…いつからわしを変態と錯覚していた?」


「………」


「ティア?」


「………」


「ぐぬぬぬぬっ…早くも反抗期かっ?」



 はぁ〜…お父様のせいで台無しですね…。





***

あとがき

ちょうど今、モ◯ストでジョ◯ョコラボあってるためのオマージュ回。花◯院だけまだ当たってない筆者です。少しでも面白ければ評価の方を宜しくお願いします!まだまだ皆様のお陰で日間、週間ランキング2位です!なんとか夢の1位をとりたいのでお願いします!


『これが最期のエメラルドス◯ラッシュ…』 


―と、いうことで美鈴でした!

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