第6話陛下からの手紙
衝撃的な話を聞いて数日後の事だ。俺はというと普段通りの生活をしていた。
─『いや、そこはもっと色々と調べろよ』と、言うような声が聞こえてきそうなのだが敢えて言おう!『そこは華麗にスルーさせてくれ!』と…。
だって俺はまだ3歳なんだぜ?あんまり変な事したらおかしいだろ?現時点でおかしいとは言わないでくれよな?中身は元高校生男子だけど…。あれ…これって、アレじゃね!?某有名アニメの『たったひとつの真実を見抜く、見た目は子供、頭脳は大人!その名は─』の名言が有名な高校生探偵とほぼ同じだよね?─向こうは俺みたいに転生はしてないけど…。
まあ、冗談はさておき…一つ気付いた事があるんだ…。『今更かよ!?』とかは言わないで欲しいのだが、先日この屋敷の書庫に行った時の話をさせて欲しい!
貴族の屋敷にはあるだろ?書庫が!屋敷を自由に歩けるという事は色々屋敷の中を見てまわれるという事で…発見しました!屋敷の中に書庫を!何でも母さんのお父さんが生前使っていた部屋らしいのだ…。
最初はアニメとかみたいに書庫に魔法に関する書物でも無いかと期待していたのだが…あるわけないよね(涙)…ここが異世界だと、薄々は思ってきているのだが悲しい事に魔法の世界ではなかった。
まあ、そんな悲しい出来事はさておき、問題は書物に書かれた文字。見た事も無い文字や数字にも関わらず解るのだ…。これはアレだね…。転生チートという奴だね。それが分かった事だ。
えっ…大した事じゃないじゃないかって?
だから最初に言ったじゃん…。今更かよとかは言わないで欲しい…って。でもそのお陰で殆んど発展して無い事も分かった。
また、動物の生態系に関して分かった事は現世とそこまで変わらない事も分かった。
ただし…現世では絶滅した筈のマンモス等がこちらの世界にはいる。この地方にはいないみたいだけど…。
最近分かった事はこれ位かな。また何か分かったら報告するよ。─って、誰に言ってるんだろうな、俺。
─で、回想は終わりという事で意識を現実へと戻した俺なんだけど…
─ガチャ、ガチャ、ガチャ、ガチャ!
外から何やらガチャガチャと、音が聞こえてくるんだよね。何事かと二階の窓から外の様子を窺うと鎧を装着して槍や斧を持ち、腰には剣を携えている人達がこの屋敷を取り囲んでいるではないか…。
「…大変だ…でもどうして…」
まさか…俺を狙って?俺は母さんの元へと急いで向かった…。
***
─なんて事はなかった…。鎧を装着してる人達はみんな女性。しかも王国から派遣された騎士団の人達だった。くっ…恥ずかしい。俺を狙って?とか、中2病発言迄思ってしまった…。幸いにも心の中で思っていただけなのでギリギリセーフにして欲しい…。
「これはこちらに宜しいでしょうか?」
「はい…こちらにお願いします」
何やら騎士の女性達が家の中へと結構な大きさの木箱を運び込んでいる。それらはミーニャがこちらにとお願いした場所に積み上げられていく。後で聞いた話なんだけど木箱の中身はお金や食物等が入ってたんだって…。何でも男の子を産んだ報奨の品々だそうだ…。
その間、俺と母さんは騎士団の団長さんと話をする事になった。
「はじめに…この度は男児の出産おめでとうございます、マリア様!」
「ありがとう、エリン。ここには私達しかいないのだから堅苦しい形式はいらないわよ?」
「…そういう訳にもいかないと思いますけど…」
どうやら母さんと騎士団長のエリンさんは知り合いみたいだ。
「そちらの御子が?」
「ええ、私の息子のエルよ」
「はじめましてエリン様」
「私に様付けは要りませんよ!?エリンとお呼び下さいませ!」
流石に呼び捨てはね…
「え~と、じゃあ、エリンさん」
「さんもいらないのですが…」
「それでエリンは報奨品を持って来ただけなの?」
「こちらを預かっております」
母さんに差し出されたのは高そうな封筒みたいなもの。封は蝋の様なモノで固められ王の証の様な印鑑みたいなものが刻まれている。とにかく母さんはそれを受け取ると封を切り早速目を通し始める。
「……そうなのね」
「何と書かれていたのかお聞きしても良いですか、お母様?」
「いつも通りの呼び方でいいからね、エル?それで、手紙に書かれてる事はエルに関係することなの」
「僕に?」
「陛下に…この国の王様に三年前初めての御子が誕生したの」
「三年前…」
僕と同じ歳…
「女の子なんだけどね…」
女の子っていうと姫様って事か。一体どんなお姫様なんだろうな?
「─で、顔見せと…簡単に言えば誕生日パーティーが催される為、出席をということね」
なるほど…誕生日に人を集めて祝うという事か。
「道中の警備は我々にお任せを」
話を聞く限り、近い内にどうやら王城へと向かう事になるみたいだ…。お姫様に会うのは楽しみだけど、出来れば男性にも会ってみたいものだ…。
─その3日後…俺達は王城へと向かった。
******
あとがき
いつもお読み頂きありがとうございます!
いつものお願いではございますが何卒下部よりポチっ─となと評価の方宜しくお願い申し上げます!どうか宜しくお願いします!
美鈴でした!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます