第5話この世界の男性

 男性についての話は屋敷に帰ってから詳しく聞く事になった。母さんの話では元々話すつもりではあったもののまだ俺には早いんじゃないかと思っていたらしい。3歳だしね。

 でも、俺なら理解出来ると母さんは思い直したそうだ。中身は3歳じゃないからその辺は申し訳なく思う。



 屋敷のリビングのソファーに座り、ミーニャが淹れてくれた紅茶を片手に母さんが口を開いた…。


「…屋敷への帰り道に伝えた通り、今の世の中は男性が異様に少ないの…。これは何百年も前の流行り病のせいなの…」


「病気?」


「ええ…男性の………」


 んっ…どうしたんだ母さんは?顔を真っ赤に染め上げ何か悩んでいる…。


「その病気はまず男性器から蝕んだのです」


「ちょっ!?ミーニャぁぁ!?」


「奥様が恥ずかしがって言葉に悩まれていた様ですので…」


「そ、そうだけど…や、やっぱりエルにはこの話題は早いんじゃあないかしら?」


「エル様の御理解力ならば早くはないと思われますよ?」


「ででで、でも…この話をするなら…そにょのね…男女のアレも…話さないとじゃない?」


 母さんが照れてる訳が分かった…。確かに3歳児に話す内容ではないもんな。


「ならば私からお話し致しましょう…」

「ミーニャ!?」

「お任せ下さい奥様…。さて、エル様、花にも男性と女性がいるとします」


 雄しべと雌しべに例えるのか…。流石ミーニャだ…。


「花がたね、ここで言う種とは子供の事と思われて下さいませ」


「うん」


「花が種を持つには男性と女性がセッ○ス…「ミーニャァァ(怒)!!!」…失礼しました…」


 今セッ○スって言ったか!?母さん滅茶苦茶怒ってるんだが!?


「コホン…花が種を持つには男性と女性が出会い女性器に男性ki…「ミーニャァァァ!」…

奥様、エル様がビックリしておられますよ?」


「ミーニャのせいでしょうがぁぁ!!!」


「…雄しべと雌しべがくっつくことで種が生まれます」


「最初からそう言いなさいよね?」


「ほんのジョークです…」


「そんなジョークいらないからね?」


「病にかかるとこの雄しべの機能が失われます…」


「…うん」

(男性器の機能が失われる!?つまり、戦闘状態にならないって事か…)


「病が重い者は…命をも失ってしまったのです…。まるでそれは男性だけを殺す為だけに存在する様な病だったのです…」


 そんな病が発生したのか…。


「…その病気はどうやって発生して、どうやって治したの?」


「それは…今も分かっていないの…」

「奥様の言う通りです。文献にはいつの間にか自然消滅したとだけ残されております…」


 思い付くのは感染した者を隔離…。感染していない者も隔離して…って、そんな感じか?う~ん、流石に考えてもこれ以上は俺には分からないな…。


「…とにかく流行り病のせいで男性が減ったって事?」


「…当然の事ながら…男性が少ないという事は生まれてくる人の数も減りました…」


 それはそうなる…か…。


「そしてそれだけではないのです…」


 まだあるのっ!?


「何故か…生まれてくる子供も女性の場合が殆んどなのです…。まるで呪いのように…」


 確かに呪いみたいだ…。


「…それで今の世の中は男性が少ないのですね…」


「そうよ…」

「その通りです、エル様…」


 んっ?


 ─だとすると、どうやって女性は男性と出会って子供を持つんだ?母さんもそうだけど確か村に俺と同じ歳の女の子が居た筈…



「ねぇ、母さん…」


「な、何かしら」


 俺の父さんの事を聞かれると思ってるのか母さんは少しあたふたしている…。遠回しにうまい事聞くしかないけど……そうだ!こういう聞き方なら大丈夫か?


「僕と同じ男性とは何処で会えるの?」


「それは…一年に数回…国から派遣される男性になら会えるかもだけど…」


「…一年に数回?派遣?」


「…エル様。国に仕えている男性達が居るのです。その男性の方々が各地をまわって運が良い女性は子供を授かれるのです…。一年に数回というのはこの村に訪れる回数ですね…。去年は二回来られました。ですが…」


「子供を授かれた女性は居なかったわ…」


 まさか…人工授精とかない?医学自体が発達していないのか?そこら辺も聞きたいけど3歳児が元々聞く内容ではないし…もう少し様子を見た方がいいよな…。そんな風に思った俺にミーニャから…


「レインローズ城はここからだいぶ遠いですしね…」


「レインローズ城!?」 


 そんな事を言われた…。レインローズ城ってなんだよ!?異世界か何かか!?だから電気も無いのか!?ホントに俺は何処に転生したんだよぉぉぉー!?





******

あとがき

いつもお読み頂き誠にありがとうございます!皆様のお陰でジャンル別ラブコメランキング5位に入る事が出来ました!本当にありがとうございます!ありがたや~ありがたや~!何とかこの位置で踏ん張り、まだ読まれてない方の陽の目に当てて欲しいと思っております!どうか面白かったり、頑張れ~と思って頂けたら下部より評価の方を何卒宜しくお願い申し上げます!作者のモチベーションにも繋がっておりますゆえ!コメントもお待ちしております!

美鈴でした!

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