小さなうさぎ

タムラ ユウイチロウ

小さなうさぎ


小さなうさぎはから風吹く丘

小さく見えるてっぺん眺めて

羊の群れと、わずかな雲と

歩くと揺れる鈴の音と

こうして今日も過ぎる風


小さなうさぎは怖がりで

誰とも会わず木陰にひとり

どこもかしこも話す声

風が通ると言葉も通る


「ねぇ今日は、どこへ行こうかしら」

「そうね、風の向くままに」

「そうね、どこでもどこへでも」


小さなうさぎは淋しくて

誰とも会えず木陰にひとり

いつも眺めるあの丘に

羊の群れと、わずかな雲と

歩くと揺れる鈴の音と

こうして今日も過ぎる風



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

小さなうさぎ タムラ ユウイチロウ @you_monodiary

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ