第1話

昔、教習所に通っていた時の事。


バインダーを持ち、車の前で教官を待っていました。


そこへ教官がやってきて、お互い挨拶をし


「じゃあ」


と手を出してきました。


おバカな私は勘違いをし


「あ、じゃあ」


と、教官と握手をしてしまいました。


教官が戸惑いながら


「いや、その、バインダーを」


とおっしゃいました。


アラヤダ、おほほほ。頑張りましょうって事かと思ってしまいましたのよ。


慌ててバインダーを渡しました。


気を取り直して運転を開始、路上を走るのはそりゃ怖いですよね。


「サイドブレーキ」


と言われ、緊張していた私がハッシと掴んだのは、教官のお膝でした。


アラヤダ、おほほほほ。笑うしかありません。


免許取れて良かったですわ。




また、結婚して間もない頃の事。


夫の両親と出かけ、帰りにお舅さんが会社のお客さんに渡すという事で、


お煎餅の詰め合わせを購入なさいました。


重そうだったので


「お父さん、お持ちしますよ」


と言って私が持って差し上げました。


そして分かれぎわ、お父さんが


「ゆりこさん、じゃあ」


と手を差し出してきたので、お間抜けな私はまた勘違いをして、にこにこと握手をしてしまいました。


手を離したらお父さんが


「いや、その、煎餅を」


とおっしゃいました。


アラヤダ、おほほほほ。息子をよろしくって事かと思っちまいましたのよ。


慌ててお煎餅の詰め合わせを渡しました。


夫もお姑さんもにこやかに笑っていました。



おお、恥ずかし。何してんねん、私。


いやいや、天然だったわ。

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ああ何し天然 おもながゆりこ @omonaga

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