~漫才風会話劇~『旅に出ます』

維 黎

(*ˊ艸ˋ) Σ\(`Д´💢)ノ

「「はい、どうもぉぉ。ライトリードですぅ。よろしくお願いしまぁぁすぅぅぅ」」


「なんかいろんな意味で久しぶりですねぇ、リードさん」

「そやなぁ。作家がリアルで仕事変わったりして、なかなか執筆活動出来んようになって3カ月以上たったしなぁ」

「僕らの出番なんて7カ月くらい前が最後ですよ?」

「時間の過ぎるのは早いもんやなぁ」

「僕らのことようわからんって人いっぱいおると思うけど、説明めんどくさいんで省いてもええですよね?」

「いや、ワイに訊かれても。たぶんええことないと思うで」

「僕がライトでリードさんと『ライトリード』ってコンビ組んでます――ところでリードさん。今までに傷心気味になったことってあります?」

「説明、雑ッ! あと傷心気味ってなんやねん。食傷気味みたいに言われてもやな」 

「いや、ほら。なんかドラマとかマンガで見たりしますやん? 『旅に出ます。探さないでください』的なやつ」

「んー。まぁ、よく見るような気もするけど、改めてどんな作品で見た? って訊かれたら一つも思い出せんけどな。――で? それが何やねんな。ちなみに一回もなったことないで」

「カクヨムに一部マニアにごっつー人気の作家でクロノヒョウさんって人いてますやん? とある情報筋から訊いたんですけど、

あの人、近況ノートに書いてたらしいんですわ。"旅に出ます"って。それでですね。どうやら傷ついたからとかやなくて、どうも犯罪臭い要因で姿をくらますらしいんですよ」 

「言い方。――マニアて。本人はもとよりフォローしてるフォロワーさんにもごっつぅ失礼やんけ。それに犯罪臭いって。あの作家さんは悪い人やないって、少なくともうちの維黎さっかは思ってるはずやで。……たぶん、なんとなく、可能な限り、思いの外――ゴニョゴニョ……」

「断言出来てませんやん」

「と、とにかくやな。なんでそんな『犯罪臭い』とか思うねん?」

「――それがですね……」

「なんや急に? 声ひそめてからに」

「実は近況ノートにこんなことも書いてたって訊きまして。"今回は"――って」

「校長の……教頭痴漢? なんのこっちゃ」

「僕が思うに、どこぞの学校の校長先生が教頭先生に痴漢しよったんですわ。で、その証拠ネタを手に入れたんで校長を強請ゆすろうとしたんやけど、逆に恐喝罪で捕まりそうになったんですよ」

「――」

「許されん犯罪行為ですけど凶悪事件ってほどでもないから、あの『貧乏』で有名な『杉上左京』さん的な刑事が来て捜査されてるんですわ。それで逃亡しようと――」

「ないわッ!!」

「――計画を立てて近況ノートに一部マニアに向けて書いた――」

「訊けやッ! なにツッコミ無かったことにして話続けようとしとんねんッ! あとマニア言うなッ!」

「でも近況ノートに書いてたって情報ありますし」

「ほな、見に行こうや。ほんまに書いてるんかどうか」



「――なぁ、ライト。何て書いてる? ゆっくり読んでみぃや」

「……こうきょうの こうつうきかんを りようするので」

「で? お前は何て訊いたって?」

「……こうちょうの きょうとうちかんを りようするので」

「ぜんっっっっっぜん違うやんけ! だいたいその前に法事のあとに旅行するって書いとるやん」

「ウソですやん!? ……ほん

「マニアはもうええぇちゅーに。――やめさせてもらうわ」


「「どうもぉぉ! ありがとうございましたぁぁぁ」」




――了――












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