第8話 サイトウ、秘密を暴露する
「ひ、ヒメカ……ここじゃマズいって」
「今さらどうしたのよ? 」
ZAKUZAKUのアプリで計測したデータをもとに、俺に合いそうな服をヒメカに見繕ってもらったところまではよかったのだが……。
「そんなに恥ずかしがらなくたっていいじゃない、今は女の子同士なんだしっ」
「それは~その~……」
慣れない体であれこれ着替えるのは大変だろうと、ヒメカが試着を手伝ってあげるといいだしたのだ。
「今選んでくれたのは全部買うからさっ、試着はいいって……! 」
「ダーメ。 見た感じは良くても、実際に着てみると微妙だなっていうこともあるんだからっ」
「うぐぐ、そうはいっても……」
マズい、これは非常にマズい。
年の離れた女の子と試着室に入るというのもかなりの問題だが、それ以上に問題なのは何故か俺に男のシンボルがついたままだということだ。
サイズの合う下着を持ち合わせていない今の俺は、シャツの下に男物のパンツを履き万が一でもずり落ちないようシャツとパンツをクリップで連結している。
つまり、ヒメカの前でこのローブを脱いでしまってはクリップでシャツとパンツを連結した珍妙な姿が露になるだけで無く、パンツ越しとはいえ股間のナニが見られてしまう。
(ええい、このままでは善意で着替えを手伝ってくれようとしているヒメカにとんでもないものを見せることになっちまう……! それはなんとしても阻止しなくては……! )
どういうわけか、俺の股間の相棒は男だった時よりも逞しくマッスルに変化しているので正直にいってパンツ越しでもかなりのインパクトがある。
(こんなもん、絶対に見せるわけにはいかないだろ……っ! )
「や、やっぱりダメだ! 」
「もうっ、なんでそんなに
「それは……らだ」
「えっ、なに? 」
「ついてるからだっ」
「な、なにがよ? 」
「ここに、アレがついてるからだーっ!! 」
「にゃえっ/// そ、それって貴女……! /// 」
曖昧な言い方をしている俺に原因があるのだが。
なかなか伝えたいことを察してくれないヒメカに痺れを切らし、腹の下を指さしながら秘密を暴露すれば。
やっとその意味に気付いたのか、見る見るうちにヒメカの顔が赤く染まっていった。
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