第5話 サイトウ、納得する
「と、そろそろヒメカが訪ねてくる時間だな」
昨日届いたメッセージによれば、今日は俺の服を買った後。
最寄りの冒険者協会支部に行って、変化したジョブやカラダのことなどを報告し冒険者として登録されている情報を更新する予定になっている。
(正直、あのまま一人だったら。 服とかも何を着たらいいのか分からなかったし、ヒメカがいてくれて助かったぜ……)
一応俺の数少ない友達に頼れば女物の服を調達するのは何とかなっただろうが、きっとアイツに今の姿を見られたら滅茶苦茶いじられるに決まってるので出来ればそれは避けたかった。
(アイツのことだ、俺を着せ替え人形のようにして遊ぶに決まってる)
年齢でいえばアイツも俺と変わらぬが、彼女はハーフエルフなので時間の尺度が普通の人間とは違う。
エルフ人族の血を持つ者からすれば三十年ちょっと生きたくらいじゃまだまだ子供なのだ。
(まあようするに、アイツはお子ちゃまってことだ)
頭の中で弾き出した結論にうんうん、と一人で納得していると。
昨夜とは違い、コツコツと控えめなノックの音が聞こえてきた。
「お! ヒメカか、今行くぜ」
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