初めての・・・

 初めてのエンカウント


 レミス村を出て10分・・・

見渡す限りの草原や大自然の道を

馬車で移動

勇はテンションが高め


 『ふんっふふ〜〜ん

 なんかいいね〜のんびりしてて〜

 うぅ〜〜〜ん

 あ〜〜〜気持ちいい〜〜〜』


思いっきり伸びをする勇

そんな楽しそうな勇を

呆れた顔で見るエリカ


 『あのね〜そんな事言ってられるのも

 今のうちだからね』


やれやれという感じで

エリカは馬車の手綱を握る


30分後


 『はぁ〜もぉう・・・ね゛ぇ〜〜〜〜

 さっきからモンスター多くない?』


馬車を降りて小鬼を蹴散らす勇


 『この辺り、例のリッチのせいで

 荒れてんのよ』


馬車の手綱持ったままのエリカ

勇は小鬼を蹴っ飛ばしながら


 『ちょっとぉ〜エリカも手伝ってよ〜〜

 数多いんだから〜〜』


馬車から降りないエリカに

勇が切れ気味に言う

エリカは馬車の上からニヤニヤしながら


 『私は馬車を守ってるのよ、フフフ

 そいつ小鬼って言ってね

 群れて行動するめんどくさい奴なのよ〜

 覚えておいてね

 ほら、右から来てるよ!

 がんばれ〜〜〜』


勇がキレて暴れ散らかしたら

小鬼はビビって逃げて行きました


 初めての野宿


 『星きれ〜〜〜』


夜になったので見通しの良い所に

馬車を止めて寝る事になった

勇は草原に寝転がって星を眺め

その綺麗さに感動している

エリカからしてみれば普通の景色


 『そう?いつもこんなもんだけどなぁ』


空を眺めて星を見るエリカ

この世界の住人には見慣れた星空だった


エリカは馬車を中心にして円状に

先のとんがった石のような物を

数メートル刻みで地面に差し込んでいる

勇は不思議そうな顔で


 『それ何してるの??』


エリカは全ての石を地面に差込終わったようで


 『これは結界魔法と認識阻害の魔法を

 継続して発動させる為に必要な石よ

 さすがに私が夜通し

 魔法唱えてる訳にはいかないしね』


エリカかが魔力を込めると石が1個ずつ

光って魔法が発動される

勇には周りに変化が

起きたようには見えなかったので

エリカに尋ねた


 『何が起きたの??』


エリカはフフンと軽く笑い


 『これはねこの円の中を

 外から認識されにくくする魔法よ

 あくまでも阻害するだけなので

 中から外に出た人には普通に見えるし

 さっき私が魔法発動してるのを見てる人には

 効果がないんだけどね

 通りすがりの人や魔物なんかは

 ここに私たちがいてる事には気がつかない

 というか気にならないと言うべきなのかな

 まっ私だからぁこんな簡単にやっちゃってるけど

 なかなか難しいんだからねっ!』


両拳を腰にあててエッヘンと胸を張るエリカ

勇はよくわからなかったが

背の低いエリカが威張ってる姿が

子供みたいでかわいいな〜と思い


 『胸張ってもあまり目立たないね、フフフ』


勇はちょっとからかってみた

エリカは自分の胸を見て

勇の胸を見て舌打ちをし

すごくイラっとした顔付きで


 『ファイヤーアロー!!!』


勇に向けて炎の矢を投げつけてきた


 『きゃぁ〜〜〜〜ごめんってぇ〜〜』


その後2人仲良くご飯を食べた


 初めての魔法


 『ねぇねぇ私も魔法って使えるのかな?』


勇がエリカに尋ねる

勇は手のひらから何か出ないかな〜って

感じで上に向けたり覗き込んでみたりしている

エリカは勇が魔法を使えない事を初めて知った


 『え??魔法、使えないの?

 へ〜なんか意外

 強いからなんでも出来るのかと思ったけど・・・

 割と誰でも使えるから勇も使えるよ

 手かしてごらん』


そう言って勇と両手を繋ぐエリカ

エリカは目を瞑って何かブツブツと呟く

手を繋いだ右側がぼんやり光る

その後左側が同じくぼんやりと光った

エリカがそっと目をあける


 『うん、今魔力を流してみたんだけど

 勇にもちゃんと魔力回路があったから使えるよ』


勇は光った手を珍しそうに眺めている

そしてエリカが魔力があると言われた事に

嬉しそうにワクワクした顔をしている

そしてエリカに子供みたいなテンションで尋ねる


 『ねっねっね〜どうやって魔法使うの?』


勇はヤァとかハッとか言って

ポーズを取りながら魔法を出そうとしている

エリカはそんな勇を落ち着かせて

説明を始める


 『それじゃ割と簡単にイメージが出来る

 火属性の魔法を教えてあげましょう

 まずは私が詠唱する言葉を続けて言って』


エリカがどこの何語か分からない言葉を詠唱する

勇が続けて同じように詠唱した


 『ん?あれ?火でないよ??』 


勇は手をバタバタを振っているが

火は出てこない

エリカが続けて説明する


 『今のは魔法を使う為の前準備みたいなもん

 火の精霊に力を借りる為の契約をお願いしたんだよ

 一度契約してもらえたら詠唱はもういらない

 後はイメージと魔力の込め方

 例えば手の上、指先、火がつくイメージ

 ロウソクのような感じで強くイメージして

 自分の中の魔力を集中させる・・・これもイメージだよ

 たくさんのイメージを重ねるから

 結構頭使うのよ』


エリカの指先の上に

ロウソクのように火が灯る 


 『ここまでは生活魔法でも使われる

 火の魔法の初歩、やってみ』


勇は強く・・・強くイメージをした


 イメージ・・・イメージ

 火のイメージ

 火が付く、炎のイメージ

 バーナー!!!


ごぉぉぉぉぉ!!!

勇の指先から強烈に炎が

火柱が上がる


 『きゃあ〜〜〜〜あちちちちち

 あぢぃぃぃ〜〜〜〜』


勇が取り乱す

手をフーフーする勇

エリカはお腹を抱えて笑う


 『自分の魔法でダメージくらう人

 初めてみた〜〜〜〜アハハハハハ!!!』


エリカはヒィヒィ言ってお腹を押さえている

勇はほっぺたを膨らませ怒っている

エリカは少し落ち着きを取り戻し


 『魔力が強すぎるのかな〜?

 イメージに違いがある・・・のかな

 うーん

 生まれた時から魔法に接している私達は

 火を起こすのに魔法を想像できる

 勇はそうじゃなくて・・・どうイメージしてるの?

 根底となるイメージに違いがあるのかもね

 想像するっていうか、常識的な部分なのかも?

 まぁようは慣れって事ね

 あっ雷ならいいんじゃない?

 自然の発するエネルギーなら

 イメージは同じかも!』


勇は一抹の不安を感じながらも

先程の火と同じように精霊と契約し

雷の魔法をイメージした


 雷・・・電気よね

 ピカチュウが使うあれよね

 さっきの事もあるし

 100万は行き過ぎだから

 10万ボルトくらいで・・・いいかな?


 『よし!10万ボルトーーー!!!』


物凄い放電が辺りを包んだ


 『ぎゃ〜〜〜〜〜』

 『きゃあ〜〜〜〜』


勇とエリカは感電しプスプスと煙を上げる


 『ちょっと・・・何、ボルトって・・・

 雷・・・よね?雷撃を・・・落としなさいよ・・・』


勇の魔法使用は禁止となった


続く

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