聖剣は聖拳です
『勇様〜〜勇さま〜〜〜〜〜
剣ですよ!剣!!聖剣ですって!!!』
とレイ少し遠くから叫ぶ
勇はレイの声に気が付き
『ん?え?剣って今の??』
勇はキョロキョロしながら
辺りを見回す
更にレイは
『なんでよけちゃうんですか〜〜〜!!
こうサッと取ってズバッとぉ〜』
レイは勇に聖剣を使えば魔人なんて
イチコロだと言いたいようだが
勇は
『え〜今の投げたのレイさんなの!?
もう〜危ないよ〜当たったらどうするのよ?
そんなの急に投げてこられて取れるわけないじゃん!
勇は魔人を指差しながら
レイにちょっと切れ気味に返す
しかしレイは
『いやっだってそういうのって
こう・・・
うまく受け取ってくれるものだと思って・・・』
困惑するレイと勇
『え〜私が悪いみたいなのやめてよ〜
私がいきなり剣なんて使ったって
うまく立ち回れる訳ないよ
剣なんて使った事ないのに
バタバタして返り討ちにあっちゃいますよ〜』
勇は口を膨らませてちょっとスネ気味
それを聞いたレイは開いた口が塞がらない
勇をじっと見てる魔人
それに勇が気が付き
『あ〜待たせちゃってごめんね
さっやろうか』
魔人がニヤッと笑い
『剣、取ってきていいんだぜ?
待っててやんよ』
と勇に余裕を見せる
それに対して勇は
『いらないよ〜
私にはこっちの
そう言って
勇はいい事言った感を出して魔人を見た
魔人は何を言っているのか分からない様子だった
それを見た勇は
『いや、ほらっ
今私いい事言ったでしょ?
魔人には全く伝わらない
勇はその表情を見てハッと気が付く
しまった〜〜〜〜
漢字だ〜〜
これ漢字で書いて意味が分かるやつだ〜
この世界にたぶん漢字はないんだ・・・
くっそっ日本語めぇ〜〜〜〜
『むぅ、いいよ、もう忘れちゃってください』
勇はしょぼくれる
ため息ついた瞬間
魔人の攻撃を受けてしまう
『うわわっわっ!!』
バク転してかわす
その着地の反動を使って
勢いをつけて魔人に軽くジャンプして
パンチを繰り出すも羽でふわっと交わされる
上空からノコギリを振り下ろす魔人
勇は着地後横に飛んでギリギリで交わすが
魔人の追撃の蹴りが勇の左ボディーに飛んでくる
魔人は
『ノコギリばっかに気を取られすぎだと危ないぜ』
と言って勇を蹴飛ばす
勇は
しまった!武器ばっか見てた〜〜〜
と思い咄嗟に肘でカバーするも
蹴り飛ばされて地面を転がる
2転3転し、脇腹を抑えて立ち上がる
『いった〜〜〜い
あたたた・・・・
はぁはぁ
あいつの攻撃は痛い
やっぱ強いんだ・・・
ノコギリに執着してたから
その攻撃しかしてこないなんて
思い込んじゃった
も〜ばか、わたし〜〜〜』
フワッと地面に降り立つ魔人
余裕の笑みを浮かべている
『そろそろいいんじゃねーか?
雑魚どもはそろって逃げやがったぞ?
待ってたんじゃねーのか?』
勇は騎士団の全員退避が完了まで
自身に注視させる事を先決していた
魔人はそれを分かった上で勇との戦闘を続けていた
あえて騎士団を逃せてやったと言わんばかりに
『そうね、付き合ってくれてたんだ
あんがとー』
勇はそう言って体を左右に捻ったり
伸びをしたりと柔軟を始める
何かを考えながら
ちょっとニコニコしている
『あんた強いね
人でなく
さらに嫌な奴でほんとよかったよ』
勇は柔軟をしながら魔人に話かける
魔人はノコギリを肩でかつぎ
『さて、なんかあんのか?
なかったら殺すが?』
わざわざ待ってやったんだ、と
魔人は自身が圧倒的強者であると
自負した上での発言であった
あくまでも自分が攻勢で
お前なんていつでも殺せる
そう言いたいのである
勇は手を抜いてる訳ではなかったが
守り体勢に入っての戦い方なんて
もちろんした事なかったが為
うまく立ち回りできていなかった
そしてもう一つ
『私さ
ずっと我慢してた事があるんだよね
我慢っていうか無意識なとこもあるんだけど
人相手に本気で殴れないっていうか
躊躇しちゃうんだと思う
トラウマってかね〜子供の時の怖い記憶
思ってもなく人傷つけてしまった、兄とその友人・・・
めっちゃ嫌な人とかならそうでもないんだろうけど
そんな殺したいくらい嫌な人なんてそういないし
あんたなら人じゃないし
めっちゃ嫌な奴だし〜
そしてめっちゃ強いから
いいんじゃないかな?って思えてきた
女神さんが
我慢しなくていいんですよって
そう言ってくれた意味も理解できたし
ここはそれは許される世界だって事も
わかってきたのよ
今のこの体も使い方もわかったし
そうなるとね
ちょっとワクワクしてきちゃって
えへへ〜』
勇は柔軟をおえ
魔人をじっと見る
目つきと空気感が変わる
魔人はそれを感じ取り
『ほぉ〜』
とニヤけてノコギリを構える
続く
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