鬼退治
吹っ飛んだ棍棒と瓦礫の山
そしてそこに現れた勇の姿に
そこにいた全員が目を奪われる
勇は棍棒を片にかつぎ
腰をグッと落としダッシュ
『いっくよ〜』
瞬足、そして4メートルからある高台を
思いっきりジャンプをして
ガモンドと対峙していたオーガの頭に
棍棒を叩きつける
勇は叩きつけた棍棒を手放し
そのまま着地
膝から崩れるオーガ
あっけに取られるガモンドは勇に声をかける
『おまっ・・・生きてたのか?
大丈夫なの・・・か?』
勇はチラっとガモンドを見て
にっこり笑ってピースをする
そして膝から崩れ落ちている
オーガが立ち上がりそうなのを見て
勇は素早く立ち上がりそのままの勢いで
軽くジャンプ
オーガの顔めがけて
回し蹴りを繰り出す
『はぁぁぁぁ!!!!』
勇は咆哮と共に蹴りを振り抜く
オーガは数メートル蹴り飛ばされ
地面に激突し跳ね上がり転がり
街の壁に激突し白目を向いて
動かなくなった
『えええぇぇぇぇ〜〜〜!!!』
驚き声を上げるガモンドと
蹴った本人の勇
勇自身もあまりのパワーに驚いていた
はぁはぁと呼吸を整えながら
自分の手や体をじっと見る勇
『なんだこれすごいな〜』
勇はそう言って拳をギュッと握る
唖然としていたガモンドの方を見て
『団長さん、あとオーガは何人いるの?』
ハッとするガモンドは勇に状況説明をする
『えっ、あっああ
5体のオーガのうち
1体は街門前で壁上からの
弓、槍の攻撃で倒したのだが
そのまま街門を壊されてしまった
元々街門を開ける為の捨て石だったのだろう
で、さっきと今ここで2体撃破
あっちの方で冒険者達が現在戦闘中だ
そこはは任せて大丈夫だろう
後はこの先の街門近くにいるオーガ1体だ
見えるか?まっすぐ先にオーガがいるだろう
あれが最後の1体だ』
勇はガモンドの指差す方をじっと見つめる
『今門を入ってきたあいつだね』
勇はそう言った同時に
陸上選手のクラウチングスタートのような
体勢をとり、一気に蹴り出し高速ダッシュ
数十メートルを一瞬でつめた
街門を越えて街中に侵入したオーガを
走ってきた勢いを利用して
ドロップキックで蹴り飛ばし
街の外まで吹っ飛ばす
10メートルは飛んで行ったオーガは
そこに倒れたまま動かなくなっていた
その状況を見て
騎士団達は驚き歓声を上げる
冒険者の方も片付いたようで
そちらでも歓声で上がっていた
勇を知らない騎士団員だったが
勇を取り囲み各々(おのおの)が
礼や感嘆を勇に告げる
『すげーなお姉ちゃん』
『なにもんだよ?』
『変なかっこの割に強いな〜あんた』
『ありがとう、助かったよ』
などなど・・・
そこへガモンドが団員と共にやってくる
勇の目の前に立ちじっと勇を見る
そして
『騎士団全員並べ!!!!
勇者、勇殿に敬礼!!!』
いきなりで驚く勇
敬礼した状態のガモンドが
『勇殿
我々騎士団員はあなたに
忠誠を尽くします
今後命にかえても
あなたに降りかかる
火の粉の盾にとならん事を
ここに誓います!!!』
ガモンドが大声で宣誓してきた
勇はびっくりして
『いやいやいやいや・・・
重いって
命なんてかけないで〜
怖い怖い
さっきみたいにお嬢ちゃんでいいよ〜
ガモンドのおっさん』
勇はニヤって笑ってガモンドの顔を
少し下から見上げる
『いっいえ!しかし
私個人としましても
二度命をすくわれ・・・・』
ニヤニヤしてる勇
それをチラッと見たガモンドは
『はぁ〜わかったよ
わかりました
勇者の嬢ちゃん
いろいろあんがとな
助かったよ』
ガモンドはそう言って握手を求めてきた
勇もにっこり笑って手を取ろうとした時
『おいおい〜
まだ終わってね〜ぞ〜
俺も仲間に入れてくれよ
なぁ勇者?だっけ?』
勇とガモンドは背筋がゾッとした
声が聞こえた民家の屋根の上を見た
夕陽が沈み
月明かりで浮かび上がるその姿は
禍々しい羽をたずさえた
悪魔のような姿だった
続く
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