勇気ある一歩

 少し時間は遡って戦場到着勇視点


レイとガモンドが言い争いをしてるのを

微妙な気持ちで眺めている勇

 

 私ってやっぱ場違いなのかな〜


両の手を後ろで組んで少しため息をつく勇

2人の会話より街並みが気になり遠くを眺め


 『ほんっとに違う世界にきたんだな〜

 街の外は広野、森林が水平線まで続いてる

 街の石畳やブロック作りの家なんか見ると

 ヨーロッパを彷彿(ほうふつ)させるね

 ヨーロッパ・・・行った事ないけど』


そして街中に異様な物体を見つける


 『あれが鬼、オーガだ』


勇の想像を超えた大きさに


 『なにあれ!!!怖すぎるよぉ・・・

 マジでいるんだ大きな生き物・・・』


どんどん近づいてくるオーガに恐怖心が大きくなる勇

そして目前に迫ってきたオーガが持っている棍棒を

持ち替えた瞬間


 『あいつ、こっち狙ってる??』


そう思ったのも束の間

物凄い勢いで棍棒が放たれた

レイとガモンドは気がついてなかった

 

 危ない!!!


と思った勇は恐怖心をおきざりにして

走り始めていた

 

 勇気ある一歩


ガモンドがレイを蹴り飛ばし

そのガモンドを勇が横っ飛びで

飛びつき後ろに投げる

勇とガモンドの目が合った

その時勇の記憶が蘇る


 あ・・・私日本で死んだ時も同じだったな

 交差点で事故を起こした車が歩道に

 突っ込んできたんだ

 私の目の前に小学生が2人歩いてて

 車はそこに突っ込むとこだったから

 2人を抱きかかえたんだけど

 私の力では走る事ができなかったから

 慌てて目の前にいた大人の人向けて

 放り投げたんだった

 そのまま私は車に突っ込まれて

 その後は女神さんのとこだった

 また同じような死に方しちゃうみたい


そのまま棍棒と共に

民家を壊して瓦礫に埋もれた勇


 『う〜ん・・・・』


瓦礫に埋もれた中で勇が目を開ける


 『私、死んで・・・・ない??

 めっちゃ飛ばされたんだけど・・・

 体、大丈夫??

 痛い・・・とこは?

 なさそう???

 うん、動く、痛いとこはないの?

 ないの?なんで??

 これどうなってんの?

 これは・・・・

 スーパーマンだ

 女神さんがめっちゃ強くなってるよ〜

 って言ってた事なのかな・・・

 スーパーマンになってるよって言ってくれたら

 もっと分かりやすいのになぁ

 勇者ってスーパーマンなんだ、フフフ

 よし!やったるかー!!!アハハハ、変なの〜』


変な納得をした勇は

自分の体の上に乗っかってる棍棒を

足で押し退けよう思いっきり蹴っ飛ばした

そうすると棍棒は空高く飛んで行った

その勢いで民家の瓦礫は吹っ飛んだ

勇は仰向けの寝転がった状態から

手と足の振り上げを利用して

跳ね起き、立ち上がり

落ちてきた棍棒を両手でキャッチした勇

バンザイをして大声で叫ぶ


 『痛くなーーーーい!!!』


にっこり笑って


 『やっと私のターンだよ』


続く

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