第3話 裏取引

「D軍曹、君には泥を被ってもらいたい…」


「えっ?なんておっしゃりましたか?もう一度」

 艦隊艦長の一人であるブルータスの不意の言葉に俺は、意味が分からず聞き返してしまった。


「先程の会議の作戦は帝国にとって非常に不味い結果を招きかねないと云うことだよ」


「どうゆう意味だ?…すいません艦長どの」


「構わんよ、ファング。内々の話しだ」

 更に意味がわからない言葉に俺は素に戻っちまっていた。


 ブルータスは、自分自身に戸惑っていた若い頃からの恩人だ。


「今回の作戦の立案者である提督に、重要な軍規違反の疑いがあるのだ。彼と彼の部下数人が敵への亡命を企んでいるらしい。最新鋭のあの旗艦を手土産に…」


「はぁ…」


 そんなことを聞かされてもとの思いから生返事が出ちまった。


「今回の作戦で君が搭乗する巡洋艦も同じく最新鋭で新鋭旗艦の装甲も撃ち抜く主砲を備えている」


「…それは旗艦を落とせとゆうことか?」


「相変わらず察しが良いな。情報通り旗艦が敵と接触するようならば、破壊して欲しい」


「大勢の乗務員は無関係じゃねえのか?」


「死神と呼ばれる君がお優しいことだな、それについては心配はいらない、百名近い乗務員は全てロイド型コンピュータに過ぎなく自我さえ与えられていないからな」


 「泥を被ってくれれば、君の望みの全てを叶えると約束する」


これが事件のあらましだった。





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