第11-2話 しずかな湖畔 やさしい告白の謎を追え!【推理編】
秋田県
山と川、この日本らしい風景があると、昔なら職業として何があるか。山の林業及び川を使った運送業である。なお、鉱山もあった。
時代とともに鉄鋼や木材の輸送は、川から鉄道に変わる。そして今の秋田県では、トラックなどの大型車用を用いた道路輸送が主流だ。
上記で説明した通り、早口駅は木材などの輸送を目的とし、
その駅前に、今、私たちはいる。
今日は『9』のつく日なので、『
入口に、『まんずねまってたんせ』の面白い看板が、私たちを迎えてくれた。手書きでアットホーム感あるこぢんまりとした露店が並ぶ。
すごく美味しそうな野菜や総菜、パンや、すてきな雑貨たち。まるで海外のマルシェに来たような楽しさを私は感じていた。
不思議なはじめての感覚だった。とりあえず、テンション爆上がりなのだ。
露店の1つ、
お隣の露店、ふかさわファームさんは秋の季節の農産物がたくさんだ。
生落花生? 乾燥でなくて、生?
私が不思議に思っていると、店のお姉さんに試食を勧められて、後で生落花生を煮ることにして思わず1袋買ってしまった。
苦笑いの父が心配そうにして、目が輝きに満ちている私へ聞いてきた。
「おいおい、ソナ。それ、みな食べんだが?」
「うん、
「あっはっは! お父さん、楽しみだわ!」
皮肉なのか、現実逃避なのか、娘の奇行を父は笑って流した。
露店の店員さんたちも思わず小さく笑っていた。
私の母が亡くなってから、少し厳しい父が、かなり優しくなった。よく笑うようになった。
何なのだろうと、当初の私は勘ぐっていた。でも今の父は明るくて、親父ギャグもよく口にするし、作品も挑戦的なものが多くなって、私は大好きだ。
少し時間が経ってきて、地域住民の皆さんが続々と、車で
駐車場が混み始める。私たちは、露店の店員さんたちへお礼を述べてから、早口市日から離れた。
その
それは日本の風景として、美しくも儚さを感じるものだ。
雅ではなく、俗っぽい風景だけど、私も心が動かされる。日本に住む者として、大事にしたい心かもしれない。
それはともかく、静かなところでは、些細な変化にも気づきやすい。これは良い機会なのだ、と私は自分の不安へ言い聞かせた。
細い集落の道を抜け、山道に入るとつづら折り、そして五色湖が見えてきた。道中の紅葉も赤や黄色に萌えて、素晴らしかった。
駐車場、私たちは車を降りる。
石造りの道を歩く。
ここが
ダム湖の紅葉は、人工物と自然の対比で、より良く赤が映えた。赤い山は鏡のように、風で波打つ湖に映る。
すごく美しい風景!! とても風雅!!
「……ッ!!」
「ね、レナ、この風景すごくない!?」
黙る娘にも効く光景だ。
落ち込んでいるレナの青い瞳が少し動いた気がする。
機会だと思い、私は軽いノリでわざわざ話しかけた。
金髪の髪、ツインテールが動く。ほんの少し、レナは頷いたのだ。
私は嬉しくて、顔をくしゃっとするくらい、声は出さずに笑う。
するとレナは、重たい口をようやく開いた。
「ソナタ君……君は約束を守ってくれたんだな」
「ん、何のだ?」
「ほら、きりたんぽまつりの時の、2人でお弁当食べようって……」
「お? んだな!」
「ありがとう。今、決心がついた」
「ん~? 大事な告白だが?」
「そうだと私は思う」
「んだのが。まんつ、腹減ったし、飯にするべ」
私はなるべく誘導しないように、レナへ短く答えた。まだ歯切れ悪いレナは少しずつ、
仕事合間の少ない休みの日、車を運転する父へ私はたくさんの感謝を覚えた。だから、駐車場においている車の中で、父は寝てしまったが、そのままにしよう。
向こうまで歩く。落ち葉の道を東屋まで。そこで2人きり、お昼ご飯にすることにした。
秋の紅葉狩り、そしてお弁当ピクニックの時間である。
移動した先は、
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