008:ゲームスタート
一つの『神様が作った
そしてマスを移動するためには6面ダイスを振る。6面ダイスは2種類存在し両方とも振って進むマスを決定する。
赤い色のサイコロは層を決める6面ダイスだ。出目によって第6層まである層のうち一つの層が決定する。
青い色のサイコロは進むマスの数を決める6面ダイスだ。出目によって前に進む数が変わる。
「全員一緒に行動できるのは本当にありがたいよな」
キンタロウは気を失っていた分のタイムロスがある。なので頭の中のルールを整理している最中に言葉が溢れたのだ。
チーム戦のゲームに置いて一番の不幸は『死』。次に不幸なのは仲間とはぐれること。仲間の安否が確認できない分、ゲームに集中できなくなり最悪の場合『死』に直面するケースもあるだろう。
なので4人全員が共に行動できることにキンタロウは『ありがたい』と思ったのだ。
「大体のルールは把握した。でも大体しか把握してないから……モリゾウ、いつもみたいに頼む!」
「わかってますよ。それに1人で突っ走られても困りますからね」
「サンキュー! それじゃいくか!」
キンタロウは右手を前にかざし『ダイス』と唱えた。
ダイスと唱えることによって赤色と青色のサイコロが出現する。これは頭の中のルールに載っている事だが半信半疑の気持ちでキンタロウは唱えたのだ。
すると、かざした右手からマジックのように赤いサイコロと青いサイコロが出現したのだ。
大きさはサッカーボールくらいある。ただ非現実的なのは宙に浮いていると言うことだろう。
まるで宇宙の無重力空間を感じさせる浮き方をしている。
「サイコロは誰が振ってもいいんだよな?」
サイコロを振る人はメンバーの中なら誰でも良い。なので話し合いで誰がサイコロを振るか決まる。
赤いサイコロと青いサイコロは同じ人が振らなければいけないと言うルールはない。なので別の人で振っても問題はない。メンバーの誰かが振りさえすればいいのだ。
「とりあえずイチゴ投げちゃってよ」とキンタロウがイチゴにサイコロを託した。
イチゴは小さな手で赤いサイコロを持った。その姿は公園で飛んできたサッカーボールを拾ってあげる優しき少女のようだ。
「えいっ」と可愛い声を出しながら赤いサイコロを思いっきり振った。否、豪快に投げた。
投げられた瞬間、無重力のように浮いていた赤いサイコロは重力が与えられ自然と白い床を転がる。何の変哲もない普通の赤いサイコロに変わった。
赤いサイコロは層を決めるサイコロだ。『1』の目が出た。つまり第1層に移動する事が決定した。
続いて青いサイコロ。マスを進むサイコロだ。
イチゴは「よいっしょっ」と元気よく青いサイコロを持った。そして先ほどの赤いサイコロと同様に豪快に投げた。
出た目は『2』だ。2マス進むと言うことになる。
「うぉぉ、か、体が、ひかっ……」
進むマスが決定した途端に4人の体は赤と青の光に包まれ、一瞬のうちにワープした。
ワープした先は『第1層の2マス』だ。
キンタロウたちの初めてのゲームが始まろうとしている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます