(二)-15
そして何口か水を飲むと、ようやく少し落ち着いた。
「かっこつけてあんなに強いお酒をがぶがぶ飲みから……」
翔太がそばにいてくれた。とんでもないところを見せてしまった。
拓弥は、酒に強い方だと思っていた。ビールならロング缶であれば数本を毎日飲んでいる。ただ、ビール以外の酒を口にするのは、実は初めてであった。
「ありがとう」
拓弥が小さくそう言うと、翔太は「ううん、いいよ。気にしないで」と返してくれた。
そうしていると、次の列車が来たので拓弥たちは乗り込み、家路についた。
(続く)
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