(二)-14

 しかし、電車が可和越を過ぎたあたりで、拓弥はかなり気持ち悪くなった。そのため、拓弥は限界を感じ、乗り換えする板戸駅の一つ手前の駅で下車した。

 拓弥は我慢していた。ドアが開き、ホームに出ると、その真ん中あたりまで来た。ホームは広く、十メートルはあった。その中央部にはベンチがあったのだが、そこへたどり着くと、拓弥は胃の内容物を全てこのベンチにぶっかけてしまった。

 拓弥は汚れたベンチの隣の地面に直接座った。

 多分翔太だと思う。「大丈夫?」と言って自動販売機で水を買ってきてくれて差し出してくれた。拓弥はそれを口に含み、胃酸の味のする口内をすすぐとベンチの足元に吐き出した。


(続く)

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