15話 一緒にお風呂♡(衝撃の結末)
バスタオル姿の崎宮さんがこちらに向かって手招きをして来る。
「まずは身体を洗うから、バスチェアに座って?」
崎宮さんが俺の身体を洗ってくれる?
やけにボディスポンジとか色々揃っていると思ったらそういう……い、いやいや!
「かっ、身体を洗うなんて……自分でやれるから大丈夫だよ崎宮さん!」
「いいからいいから……いつもお世話になってるお礼に流してあげたいの」
お礼って……そもそもこれはお仕置きじゃなかったの!?
「それとも……風切くんはわたしに身体を洗われるのが嫌?」
「そっ……そんなことは!」
崎宮さんに身体を洗ってもらえるなんて嬉しいに決まってる!
でも仮にそんなことされたら、俺の下半身に巻いているバスタオルが大変なことに……。
どうする……俺。
断ればまた崎宮さんの好意を無碍にすることになってしまい、崎宮さんが怒ってしまうかも……。
それじゃさっきのお風呂事件の繰り返しだ。
俺は自分の中の善意が誰かを傷つけてしまうことを学んだ。
もう2度と崎宮さんを傷つけたくないと心から思ってる。
だから……。
「じゃ、じゃあ……お願いしようかな」
「ふふっ、ありがとう風切くん」
俺は生唾をゴクリと飲み込みながら、ゆっくりバスチェアに座る。
崎宮さんは俺の背後に膝立ちしながら、洗面器にシャカシャカ音を立ててボディスポンジを泡立てた。
えっちなビデオでよく見るアレ系のお店のシチュエーションすぎる……!!
崎宮さんは分かってやっているのか?
「じゃあ背中から洗っていくね?」
「う、うん」
崎宮さんのスポンジが俺の身体を擦り始めた。
崎宮さんは背中から順番に、肩、二の腕を洗うと、次に手を前に回して俺の胸部を……んんん?
胸を洗うとなると崎宮さんは俺の背後から抱きつくような体位になるので、必然的に崎宮さんの豊満なバストが、俺の背中に思いっきり押しつけられる。
もちろんバスタオル越しではあるが、ぷるんぷるんでムッチリと張りのある崎宮さんのおっぱいが背中に当たり、それに反応した俺の下半身に光の速さで電撃が走る。
「これは……まずいな」
「どうしたの風切くん、気持ちいい?」
気持ちいいという次元の話ではない。
童貞の俺にこの刺激は強すぎるし、このままでは何も触れていなくても果ててしまうかもしれない。
「さ、崎宮さん! 流石に前は自分で洗えるから!」
「え、でも」
「もうシャワーで泡流して身体を洗うのは終わろうよ!」
「ふふっ、そんなにお風呂、入りたい?」
「え、う、うん!」
とにかく今はこの身体洗いを終わらせねば!
「もう風切くんったら、せっかちなんだから」
「え?」
崎宮さんは一気にシャワーで俺の身体の泡を流し切ると、俺の背後から別の場所に移動する。
「さ、崎宮さん?」
「二人で浴室に入ったんだから……もう決まってるでしょ?」
崎宮さんは右足から浴槽の中に入ると、左足を入れるのと同時にこちらへ振り向く。
「一緒にお風呂、入らないと、ね?」
崎宮さんはゆっくりと浴槽に浸かりながら、今度はお風呂の中から俺を手招きして来た。
そ、それは流石に(俺の下半身が)ダメだろ!
「む、無理だよ崎宮さん! そもそもうちの浴槽狭いし! どう考えても身体がくっついちゃうっていうか!」
「風切くん、そんなにわたしと入るのを嫌がるなんて……」
ヤバい。また俺、地雷を踏んだのか?
「なら——お仕置きにピッタリだね?」
む、むしろ燃えてるぅぅぅ!!!
崎宮さんは浴槽から手を伸ばし、俺の手をしっかりと握ると引っ張ってくる。
逆に俺はさすがにそれは男としてまずい事になりそうだと思い、反抗した。
「風切くん大丈夫だよ。わたしも本当は恥ずかしいもん。でもね、一緒に入れば恥ずかしくないから」
「さ、崎宮さん! それはさすがにっ……ダメだよ!」
同じお風呂に入るなんて、もう半同棲とかのレベルを超越した行為だ。
ほぼエッチするのと変わらないし!
「ダメだっ……てっ!」
手を離そうと反抗したその刹那——。
俺は下半身に違和感があった。
あれ……布の感覚が……あ゛っ……。
足元に落ちたそれを確認した時、もう既に間に合わなかった。
✳︎✳︎
わたしは、知らなかった。
いや否——ある程度の知識はあったものの、それを目に入れる覚悟がなかったと言う方が適当だろう。
男嫌いが拗れたこともあって、中高の保健体育の授業で男という生き物の身体を学んだ時は、その辺の害虫の生態を学ぶのと同義だと思っていたこともあり、男性のブツなど一度も目にしたことがなかった。
しかし、突如として目の前に現れた風切くんの風切くんが、あまりにも風切くんのキャラクターと反し、見るからに逞しく男らしい見た目をしていたことで、わたしはそれに目を奪われていた。
「か、かかかか、風切っ……く、ん……」
「ご! ごめっ! 崎宮さっ!」
一気に頭がショートしてしまった。
脳内の映画館のスクリーンに大々的に映し出された風切くんのアレ。
言葉を失うほど立派なそれを見た事で、わたしは顔中が熱くなって……。
「さ、崎宮さん! 崎宮さん!」
風切……くん。
そこからの事は全く覚えていない。
あれ……わたし、一体……。
ただ、一つだけ頭の中に浮かんだ言葉がある。
……でっか。
————————
次回から新章(意味深)に突入。
新キャラである風切くんの風切くんが気になる人は星評価よろしくお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます