14話 素晴らしいお仕置き(エロ表現注意)


「お、お仕置き!?」


 バスタオルを身体に巻いた崎宮さんは艶かしくニコッと笑った。

 お、おお、お仕置き、だって!?


「だって風切くん、しっかりお湯に浸からなかったんでしょ?」

「それは……う、うん」


 俺は素直にそれを認めながら、罰が悪くて目を逸らす。


 確かに俺は、崎宮さんに俺の後風呂に入って欲しくなくて、湯船に浸かるのをやめた。

 善意のつもりだったけど、結果的にそれは崎宮さんの気持ちを傷つけることになってしまったのも事実で。


 気を遣いすぎたことは反省してるけど、それで崎宮さんからお仕置き? 

 い、一体どんなお仕置きをされるんだろ。


「ふふっ……」


 崎宮さんは今日一番の笑みを浮かべた。


「じゃあ、まずは……」


 ま、まずは……?


、風切くん」


 んんんんん??? 服を脱ぐ???


 お仕置きで服を脱ぐって……崎宮さんは今から一体何を……!


「な、なんで服を脱がないといけないの?」

「そんなの……に決まってるじゃん」


 い、一緒に、お風呂!?!?

 崎宮さんと、俺が一緒に……い、いやいや、待て待て。


「え、じゃあそれがお仕置きなの!?」


 それだとむしろご褒美になっちゃうような。


「うん。風切くんはお湯に浸かってないんだから、ちゃんと入らないとダメ」


 崎宮さんは胸の前でバツを作る。

 一緒にお風呂なんて……もしかして崎宮さんの裸を……。

 俺はバスタオルの胸元に目が行ってしまう。


「あ、わたしはバスタオルしたままだから安心して?」


 で、ですよね……。


「でも風切くんは丸裸で大丈夫だからね?」

「お、俺もタオル巻くに決まってるよ!」

「ふふっ、冗談冗談。じゃあ先に浴室なかで待ってるから」

「ま、待ってよ崎宮さん!」


 俺は崎宮さんの手を取る。


「本当にその……」

「ん?」

「俺と入るなんて……崎宮さんは嫌じゃないの?」


 素朴な疑問だった。

 俺が問いかけると、崎宮さんは間髪容れずに口を開いた。


「うん、だから早く服を脱いで来てね?」


 小さくそう言って浴室に戻ってしまった崎宮さん。

 俺とお風呂に入るのが嫌じゃないって……そんなことあるの?


 つ、つまり崎宮さんはそこまで俺のことを……?

 いや、お風呂で色々と見られても気にならないくらい男として見られてないのかもしれない。

 でも、そんな男だと思われてるならお風呂に入るなんて嫌だろうから、これは良い意味だと捉えていいのかな?


「よ……よし」


 俺は着ていた服を一枚ずつ脱いでいく。

 今日2度目の風呂は人生で初めて母親以外の異性と入る風呂。


 興奮と緊張が入り混じりながら、俺は下半身にタオルを巻いた。

 崎宮さんの身体を見て下半身が大変なことにならないように、とりあえず一発股間を殴って気を引き締める。(ただ痛いだけ)


「大丈夫……大丈夫……」


 間違いは起こらないはずだ。

 もし起きてしまったら……。

 ついに童貞、卒業……?


 俺が、崎宮さんと……。


 や、やばい、変なこと考えたから下半身が!


「風切くーん、はやくー」


 浴室から俺を焦らせる声が聞こえて来る。

 ま、まずい、下半身がこのまま入ったらただのど変態じゃないか!


「ステイ・クール……相棒」


 下半身を落ち着かせ、俺は意を決して浴室の折り戸を開いた。


「……っ!」


「いらっしゃい……風切くんっ」


 バスタオルを見に纏った崎宮さんは浴室のタイルの上にボディソープとスポンジを用意してその場に正座していた。


 完全にエッチなお店みたいなんだけど!!



——————

ニヤニヤが止まらねえなぁ!!

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