12話 感動と感涙
崎宮さんに俺のハンバーグあげちゃったけど、本当に良かったのかな……。
俺は崎宮さんが作ってくれたハンバーグを美味しく食べながらふと考える。
どう考えても崎宮さんのハンバーグより形が悪いし、本当は自分のハンバーグが良かったのに、気を遣ってくれたのかな?
ま、まぁ、俺は崎宮さんの手作りハンバーグが食べたかったんだし結果オーライだよね。
「崎宮さん、このハンバーグ美味しいよ!」
「…………」
「あれ、崎宮さん?」
崎宮さんは黙々と俯き気味でハンバーグを一口、また一口と食べている。
「どうしたの? もしかして、何かハンバーグに問題とか」
「違うっ! 風切くんのハンバーグ……最高、だから!」
「なんで泣いてるの崎宮さん!?」
やけに俯きながら食べていると思っていたら、崎宮さんが顔を上げた瞬間その目には涙が浮かんでいた。
「と、とりあえずこのハンカチで涙拭いてよ崎宮さん」
「ありがとう風切くん……」
俺からハンカチを受け取った崎宮さんは、すぐに涙を拭った。
本当にどうしたんだろ。
俺のハンバーグが不味かったとか?
でも俺、ハンバーグに関してはタネを作っただけだよね? 味付けは崎宮さんが調味料入れてたし……。
理由はよく分からないけど、崎宮さんって時々感情的になるところがあるから、多分大丈夫かな……?
「と、とにかくさ、早くご飯食べてお風呂に入って来なよ。入浴剤もしっかり入れたし」
「ありがとう……生まれて来てくれてありがとう……風切くん」
「う、生まれてきて!?」
様子のおかしい崎宮さんは、そのまま(少し泣きながら)淡々と夕食を食べ終わると、食器を運んでお風呂へ。
崎宮さんがリビングから居なくなったことでやっと緊張から解放される。
「崎宮さんったら大袈裟だよねぇ」
俺のハンバーグを泣きながらハンバーグ食べるなんて……。
不味いからかと思ったけど、本人は「違う違う」って言ってた。
もしかして、喜んでくれたのかな?
「崎宮さんが、俺のハンバーグで……」
つい笑みが溢れてしまう。
これから俺は、しばらく崎宮さんと半同棲するんだもんな……。
これからもっと喜んで貰えるように俺も頑張らないと——。
「——キャァァーッッッ!!!」
「えっ……?」
突然聞こえてきた甲高い悲鳴。
お、お風呂から……?
「さ、崎宮さん!?」
—————
衝撃の60話になりました。一体何が……?
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