2nd seasonに向けて【閑話休題】


 ちょっとした病み期に入ってしまい、一時的に自分を見失ってしまったわたし。

 それでも風切くんのおかげで、わたしは自分を取り戻すことができた。

 わたしは地雷系女子でいい。

 地雷な自分を大切にしたいと、風切くんのおかげで思うことができたから……。


 わたしが自分を見つけて完全復活を遂げた翌日のこと。


 バイトはしばらく風邪で休むと言っちゃったし、週末は講義をあまり入れていないため、わたしは"とある予定"を入れていた。


 その予定に向かうためにも、わたしはしっかり朝支度を進める。


「これでよし、と」


 今日からまた、わたしは自分が可愛いと思える服を着る。

 可愛い服を着ることは、わたしにとって、何よりも大切なことだ。


 いつも通り、ピンク色の髪と赤のインナーカラーが入ったストレートヘアを整えて、服は、胸元に大きなリボンをあしらった真っピンクのワンピースに黒光りする黒の革ジャケット。

 あとは黒のブーツと太ももにガーターベルトを巻けば今日も完璧のコーデになる。


 わたしは、わたしが可愛いと自信を持てるものを一番好きな人に「可愛い」と言ってもらえれば、それで幸せだから。


 わたしは地雷系女子なのかもしれない。

 でも、そんなわたしだからこそ、風切くんは受け入れてくれると言った。


 これからも風切くんと一緒にいたい。


 そのために……もう一度、わたしにあなたを着させてください。


 鏡の前に立ちながら、わたしは地雷系ファッションの自分をしっかり見つめた。


「わたしは地雷系……でもいい。好きなものに対して想いが重くなっちゃうのも、こだわりが強いのも、嫉妬深いのも……それを全部含めて崎宮可憐なんだから」


 今日の予定は次の"引っ越し先"であるマンションの下見。

 ずっと入りたいと思っていたマンションへの引越し費用がもう少しで貯まるため、下見をしておかないといけないと思ったのだ。


「楽しみだなぁ……ね、風切くんっ」


 わたしはスマホの壁紙にしている風切くんとのツーショット写真を眺めながら呟いた。


 これからは毎日お味噌汁作ってあげられる……♡

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