背景

その植物は、人の記憶を養分に成長し、人の感情を媒介に感染する。

その植物に寄生された者は、徐々に記憶を奪われ、最期には死んでいく。


そんな恐ろしい病に犯されたのは、とある一人の女流画家であった。彼女は徐々に夫である男のことも、自分自身のことも忘れていき、最期のときをサナトリウムで隔離されて過ごすことを決める。

しかし、女の夫は、妻が死ぬことを認められなかった。たとえ自分も死ぬ運命だとしても、彼女とともにいたいと願い、カウンセラーとして彼女のもとに通うことを決意する。

二人は初対面として再会を果たすが、女はそれをきっかけに過去を思い出してしまう。

男に植物が感染することを恐れた彼女は、男に対する愛情を断ち切るために選択をする。

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「サナトリウムの恋人」 @ko_me_sosaku

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