第6話 打ち合わせ

やっとの思いでアツアツ鉄板のお肉を平らげて、ふと片山の手元を見るとあらかた始末を終えたお皿が積み上がっていた。

ここは回転寿司では無かったのにと思いながら、ホントに情報は大事だなと実感させられた。


「片山君、打ち合わせは場所を変えるか?」


「盛山さん、すぐに動けますか?」


「………………………………無理だな。本音を言うと、しばらく動きたくないぞ。お前は、何処にそんなに入るんだ?」


「タダ飯なら、幾らでも入りますよ?」


「………………………………マヂか〜?」


「マヂですよ〜?」


「………………………………ところで、アポは何時だったっけ?」


「みなとみらいのホテルを9時チェックインで取ってあります。」


「ソッチじゃ無いっ!暁商事の方だっ!」


「ぶうぅ〜?」


「不貞腐れるんじゃないっ!」


「ふえっ、1時半に取りました。打ち合わせの後、主幹銀行に2時半でアポ取りしてあります。」


「暁商事の打ち合わせ前に決めてきたのか?」


「ええ、融資枠を早急に確保しないと明日にでも行き詰まりますからね。今まで無借金経営でやってきたのが命取りになりかねません。」


「………………………………何か新しい情報でも?」


「説明すると、長くなりますよ?」


「あ〜、わかった、全部任せるから良いようにしてくれ。」


「りょ!ご褒美は、朝まで『可愛がって』下さいっ!」


ホント、一年前まではこんなウザい性格じゃ無かったのにな。

コイツに『FIRE』計画を漏らしてからだぞ。

酔ってヤッた勢いで、つい打ち明けたのが運の尽きで。

ていうか、俺は計画道半ばなのにコイツは達成目前らしい。


「盛山さん、デザートは何にしますか?」


おいっ、まだ入るのかよっ!

別腹とかふざけた事言うんじゃないぞ?

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