第4話 パートナーにならない?

「片山君、資料アリガトね!」


「……………………いえ、どういたしまして。ドーナツ、美味しかったです。」


「どういたしまして。片山君は暁商事、どれ位持ちこたえられると思う?」


「……………………はぁ、それを私に尋ねますか?」


溜息を、つきながら、面倒くさそうに、返事をされてしまった。


「うん!是非聞きたいな?僕は明日にでも資金ショートするかもと判断したけど。」


「持って半年、悪ければ来月にでも資金ショートして黒字倒産しかねませんね。」


「大体同じ見通しだね。じゃぁ、やることはひとつだね。」


「リストラで人員整理は悪手ですよ?」


「いや、すぐに切るのは監査役一人だね。」


「……………………なんで私と同じ結論に辿り着くんですか!」


「ん〜、やっぱり片山君、僕のパートナーにならない?君が一緒に来てくれればコンサル業務捗りそう。」


「ん〜、私生活のパートナーなら?」


「お二人さん、どっちのパートナーでも僕の許可を取って欲しいな?」


佐木係長が大袈裟に笑顔で話に割り込んできて、僕は固まってしまった。


「佐木先輩、ジョークですよ?」


「あらっ、私は本気ですのよ?」


「アハハ〜、盛山君、午後一で暁商事行くんだろう?今日だけ片山君貸してあげるから一緒に行っておいで。片山君もそれで良いかな?」


「……………………了解しました。今日だけですね。残念です。」


「佐木係長、よろしいのですか?」


「ああ、でもクドいようだが今日だけだぞ。明日の朝までにはキチンと返してくれよ?」


「……………………そんな恐ろしい事を言わないでくださいよ!」


「あら、盛山さん、何を今更?」


不味い、話が危険な方向へ行き過ぎてるぞ。

何とか話題を変えないと。


「オホン、片山君、暁商事にアポ取っておいてくれ。午後一でな。取れたら打ち合わせ兼ねて昼飯にしようか。」

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