第3話 経歴詐称?
「……………………………………何これ?」
佐木係長のデスクの隣の、外部ネットワークに繋がる端末を係長監視の下操作していた私は、採用予定者の検索結果を纏めて個人別に一覧にした資料と、彼の履歴経歴との差異に絶句していた。
「係長、この結果なんですけど…………?」
モニターを覗き込んだ係長は、
「あ〜、盛山君か〜、彼は僕の後輩でね、僕の引きで採用しようかと推薦してあるんだ。」
「………………………………いえ、そういう意味では?」
「あ〜、全部わかってるから、そのまま通しておいてくれると有難いんだが?」
………………………………通すも何も、これ、経歴詐称そのものなんですが?
例えて言えば、大学院卒の会計士資格持ちの弁護士を、高校中退のニート職歴無しと詐称するレベルで。
逆経歴詐称?とでも言えばいいのかしら。
「それにしても盛山君の経歴をここまで短時間で全て調べ上げるとは、さすが僕が見込んだ事はあるな。公開されていない情報も拾ってきてるじゃないか。おや、僕の知らない情報も入ってるぞ!」
「……………………いえ、それほどでも?」
何なの、これ?
何なの、彼は!
逆に彼に興味が湧いてきたじゃないのよ。
会えるのが楽しみだわね。
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