第15.5話 ヒュウツジア
マリアンヌと別れ、俺は西に向かって飛んだ。一人になったら、思わず色んなことを考え始めた。
この世界ーーーーヒュウツジアについて、実はトイエリさんの愚痴でおおよそのことしか知らない。姫様生活の一週間でもメイドたちにこの世界の事を聞いてなかった。もしメイドたちにこの国や大陸の事を色々を聞けば、メイドたちは絶対皇帝に報告し、記憶喪失は嘘な事がバレる可能性は十分ある。
当然現在は共犯関係のマリアンヌもこの世界の事を聞いていない。今日はずっと逃走劇のことを練習や修正しているだけ。命の恩人とは言え、築いた関係はたったの一週間だよ…まぁ、彼女は別に悪い人ではないのはわかります。今日休みの間マリアンヌの昔話を聞いた、彼女もこの二十年間ずっと生涯孤独みたい、これだから貴族とできる限り関わりたくないですよ。
ってこの世界の話に戻りましょう。
俺が知ったこの世界ヒュウツジアはトイエリさんのシミュレーション…仕事みたいなもの。仕事の愚痴で聞いた話をまとめるとここは元の世界…地球で流行ってる異世界ラノベの世界そのものの元から作り出した何かのテストらしい。最初は俺の夢だから彼女の話も俺が見た小説の設定を夢の中で再現されたと思ったので、まさかここに入ったのは想像もつかない。
ヒュウツジアは定番の剣と魔法の世界で、中世の文明、魔物がいて、ダンジョンは知ってる範囲では無いみたい。残念ですが、ステータスオープンみたいな、ゲーム的な展開も無い。定番の獣人やドワーフは愚痴で聞いたことある、エルフはいるような…確かこの前にトイエリさんにエルフについて聞いたが、あの時彼女の返事は忘れていた。
魔法の詳細は恐らく誰にでも使えるそうだ。マリアンヌたちは水を出す魔法や風を出す魔法も時々見たので。あれは恐らく定番の生活魔法でしょう。他に俺を召喚した魔法陣、魔道具もあるし、複雑そうね。まぁ~妄想力があれば魔法が使えるから、今は学ばなくても良い。
ただこの世界は地球のようなうん千万年の古代文明や恐竜時代もないし、確かまた若いみたい、トイエリさんには足りないものは結構あるしリソースが足りないみたいな話しは結構ある。とりあえず上空で何となく西にある辺境の城壁っぽいものに向けて飛ぶしか無い。一刻も早くドラゴンのところへ行かないと。
目的地は魔の森、明らかに魔物が多い森。魔物は見たことないが、魔法があっても未知なものは怖い、何かあればすぐに飛んで逃げよう。水玉の痛みはまだ強烈だ、一日溜まったこの溢れた魔力では休みなしで魔の森に行ける、速度をもうちょっと上げよう…待ってろドラゴン。
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