第12話 マリアンヌの考え
姫様起きたら5日目
朝から王城の警戒態勢解除されたの通達が来ました。午後は功労者への賞賜の謁見がありそうです、王女として絶対出席する場面のはずですが、こっちには何の連絡もなかった。念のためメイド長にもう一回確認しました、返事は相変わらず姫様の体が優先です、これはもう確信していいのでは?
姫様と一緒に朝食した後、警戒態勢が解除されたと伝えたら、急にこの部屋のベランダで刺繍をしてもいい?と聞かれたわ。警戒態勢も解けたし、流石にもうドラゴンはもう来ないでしょう、たまにはいいでしょう、念のため今日は他のメイド隊の何人かを呼んだ。
ただのベランダだけなのに、姫様は何だかはじめて外に行った子供みたいのように、楽しそうに見慣れた空や景色を見ました。最後はやっぱり一緒にお茶飲もうと誘われた。はじめてこの仕事の事を楽しいと考えました。
あれから姫様は刺繍した花たちをハンカチにするようにしたい、そのやり方を知りたいと言いました。でもわたし、午後には外で本と他の買い物があるから、他のメイドたちに任せて、そのやり方を姫様に教わった。
午後、わたしは姫様が欲しい本を買うために下町に出かけました。元々姫様が欲しいものがあれば商人を呼んて買うのですが、今回はただの一冊の本それにわたしにも買いたい物があるとメイド長に伝え、まさかのあっさり許可貰いました、多分商人に今の姫様に見せたくないのでしょう。しかし何故新しい本を買うのですか?図書室にそんな本はないのか?いいえ、考えないようにしましょう。
経費で姫様の本を買いました、そして自腹で
そろそろ戻る時間、今は王城の検閲で買ったものを検査する途中。まぁ~姫様が買ってと言われた本、見本用の平民の服、ドラゴン騒ぎあったからわたし個人用の魔道具、何の問題もなく城に戻ったわ。“姫様”が欲しいだから、毒を買っても通りますよ、
姫様の部屋に戻り、
姫様の婚姻の相手はドラゴンを2回撃退し、帝国を守った英雄のユウジ様でした。陛下からお褒美として、ユウジ様と姫様との婚姻が認められたらしい。多分今晩メイド長からの連絡も来るでしょう。
あれから他のメイドたちは噂の黒髪黒目の英雄ユウジ様の淡麗な容姿や撃退した時の勇姿について騒いでますが、姫様は苦笑いでメイドたちからの祝福を受けた。知らないうちに他のメイドたちもこんなにこの姫様と仲良しになるとは思わなかった。
毎日の報告も終わり、メイド長から姫様の婚姻が決まったとの連絡を受け、予想通りドラゴン撃退兼姫様の婚約パーティーにも姫様の体調を理由として、欠席となりました。
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姫様起きたら6日目
朝、姫様からあるものを要求されました、メイド服一着が欲しいと。その顔…絶対着てみたいでしょう、一国の王女に使用人の服を着るのは絶対だめ!バレたらわたしたちの首が落ちる!ですが姫様の説明によると、これは遊びではなく、メイド服をかわいく改良するには自らそれを着て、改修点を探し出すという理屈を言い渡された。
はぁ~わたしが甘過ぎでしょうか、他のメイドたちの予備の制服の中から、姫様サイズの一着を渡しました。だって2日後から英雄様との婚姻を結び、この穏やかな生活も終わりでしょう。今はできる限りこの姫様の要求を満たしたい。ほら、姫様はすぐにメイド服の着方と髪の結び方を聞かれたわ。
何回もメイド服を着て、脱げ、また着て、脱げ。今度は髪の毛をいろいろな結び方で試したいと言われました。他のメイドたちは喜んで姫様に教えましたが、わたしはただ側で見るだけでした。気が重いわ、胃はまた痛くなった、今日の報告は何を言えばいいでしょう。姫様はメイド服を気に入ったみたいで、それを畳んでベッド隣のテープルに置いていた。その後昨日買った裁縫の本を読みました。
昼、珍しく姫様はベランダで何もやってない、ただお茶を飲んでいました。突然急に“西はこっちですか?”と聞かれた。はいっと返事したあと、そのまま言葉もなく、空や周りと下町をずっと見続けました。
あれから寝るまで、いつもの姫様のように寝る前にずっと刺繍しました。
英雄様との婚姻はあと2日
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姫様起きたら7日目
朝、いつも通り姫様を起こしました。例のパーティーで人手が足りなく、メイド隊の皆さんそれを手伝って、とうとう姫様の側にいるのはわたしだけになった。
「おはようございます、マリアンヌ。」
いつもの挨拶、そして何故わたしも当たり前のように一緒に姫様と朝食をしているのか。その後姫様からおかしな事を聞かれた。
「マリアンヌ、あなたまさかお腹…胃が悪い?痛いですか?」
「え?はい、子供から忙しいな時は、胃が痛くなるので、胃にいい薬草茶を飲んていますので、大丈夫です。」
「そうですか。」
その後、姫様はわたしのお腹を手で触る…何でだろ。
「今は?」
「え?今はっと聞かれても、すみません、自分もよくわからないです。」
「いいえ、お腹今は痛くないかなぁ~と思っただけですわ。」
「は、はぁ。はい、今は痛くないです。」
「そういえば、明日の婚姻パーティーはホントに出席しなくでいいの。」
「はい、メイド長に再確認しました、お体の休養が優先ですとお伝われました。」
やっぱり、姫様も気にしているのですね、急に会ったことのない人と婚姻関係を結ぶ事、前の姫様では絶~対~全く気にしないと思うわ。
その後、姫様はいつもの笑顔のままで今日は休みですと言った。休みってただベランダでわたしと一緒にお茶を飲むだけですけど。先月のわたしが今のわたしを見ると、あの大嫌いな黄金姫と一緒にお茶を飲むなんて、ありえない、絶対嫌な顔をするでしょう。
何もしていないままお昼になった。姫様は珍しくお食事をおかわりしました、多分これは体が治った証拠です。ホントに良かったです。お昼あと姫様は言葉通り刺繍もして無く、ホントに休んでいる。ずっとベランダで外を見てぼーっとする、そのまま夕日が終わるまで。
その後夕食も同じくおかわりされました、明日の食事は多めに…
明日は姫様の婚姻パーティーの日なのに、今日もわたしたちメイド以外に誰もこの部屋に来なかった。ドレスも新調していなかったわ。はぁ…ホントに隠す気あるんですか?
そろそろ寝るの時間なので、未だに夜空を見てぽーっとするな姫様にもう寝る時間と伝え、姫様は素直にベッドに乗ったあと、わたしは魔道具の光を消した。何故でしょう、少しだけ、少しだけこの生活を続けて欲しいと思った…無理だわ、今日で最後。
「では、お休みなさいませ、姫様。」
「マリアンヌ、ちょっと話して良い?」
「はい、何でしょう。」
姫様はわたしをベッドに座ろうと誘った。今更この姫様にマナーを言う理由もなかったし、そのまま姫様のベッド、彼女の隣に座り、話を聞く。
「マリアンヌ、意識不明な時あなたがいなかったら、私は多分もうここにいないと思うの、だからあなたは私の命の恩人です。」
「いえ、勿体ないお言葉…」
「今はもう仕事上がりでしょう、友だちのようにしてちょうだい。」
「そんな…」
姫様はわたしの手に掴む、何かを手に乗せる。
「これは私の感謝の気持ちです、どうか受け取ってください、私の一番いいの完成品です。」
手に乗せるのはわたしが好きな花“アイリス”を刺繍したハンカチ。
「あ、ありがとうございます。大切にします。」
姫様は満足そうに、ニコニコの顔から真面目の顔に変えて、わたしにちょっと近づき、囁く声でそう言った。
「冷静に聴いて、これはあなたにどっても大事な話なの。」
「……はい。」
「もし、私が急にいなくなったら。あなたはすぐにこの国から逃げて。」
「?!」
「この反応を見れば、あなたも薄々気付いたみたいですね。マリアンヌ、あなたは彼…いや、彼女にとって、唯一
姫様が話してたことは意外過ぎ…この方はホントに今までずっと刺繍しているあの姫様でしょうか?そんな姫様は続けてこの重い話を話した。
「ここからは私の予想ですが。今は私がいるのだから、対外的にあなたはまだ必要です。多分彼らはこの体の“王族の血”と“英雄の血”を継承した子が欲しい、だから記憶喪失な私を軟禁した。明日正式に婚姻を結ばれったら、私を彼の子を孕んて、その子を産んたら私を殺すと思うわ。」
驚きました、まさか
でもこれを聞いて、おおよそわたしの予想通りになったわ、わたしは王族の知ってはいけない事に気づきました。陛下に直接ご報告した日から、わたしはずっと考えていました。娘大好きな王様は何故姫様に会いに来ない、陛下はユウジ様の対話はまるで親子、それと、ユウジ様の多くの癖はあんまにも
「では姫様はこのままでは…」
「誰にも
明日…ですか、深呼吸をする。
実もわたしも予定明日逃げ出すと思うの、
「姫様、わたしにもあなたに聞きたいことがあるです。」
「何?」
「あなたはユウジ様でしょうか?」
「え?」
姫様は驚きましたが、ですがこれはわたしにとって大事な事です。姫様は苦笑いでわたしに答えた。
「いいえ、あの方はもう消えましたわ。私…実は名前がないの、マリアンヌが付けてくれる?」
「そう来ますか?…では“アイリス”はどう?わたしが一番好きな花です。花言葉は“希望”ですわ。」
「希望は大袈裟ですが…アイリスが…いい名前ですね、ありがとう。そうですね、マリアンヌがこの国から離れたら、カウレシア王国に行きませんか?
「カウレシア王国…ですが。ここから馬車で約一週間かかるんですよ…はぁ、姫様、また無茶なことを、うふふっ」
「笑ったマリアンヌ見るのは2回目ですね、やっぱり元々美人だから笑ったほうがいいですよ。」
「も、も〜う!…もう遅いから、早く寝なさい。短い間のお付き合いですが、あなたに会えて良かったと思わ、アイリス。」
「私もあなたに会えてホントに良かったわ。では、マリアンヌ、おやすみなさい。」
わたしは自室に戻り、明日の準備をしました。明日は姫様の婚姻パーティー、大事になりそう。
たったの一週間、まさかこんなことになるとは。もしホントに神様がいればどうか明日の計画がうまくいきますように。
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