第10話 襲撃、再び

昨日帝都を襲撃した灰色な巨大ドラゴンが急に王城の真上からゆっくり降りてきた。運良く今日の天気はいい、雲ひとつもなく、帝国軍はすぐにドラゴンを発見し対応しはじめた。


その時ユウジは帝国の宝物庫から解呪の指輪と封じられた魔剣を持って、王城一番上の塔の上で第二騎士団の精鋭部隊と共に待機している。


ここでユウジは現場にいる騎士たちにそう話した。


「魔道士団は魔力障壁を張ってる間にドラゴンが城への興味が無くなって飛び去ったのは一番ですが、もし魔力障壁が破壊されたら、僕が先陣を取ってこの剣でその翼を切る!こいつが落ちたら、我を続けて攻撃する!」

「「は!」」


ドラゴンは段々空から降りてきた。ですが王城にはドーム型の半透明な魔法障壁が張ってドラゴンの進路を妨げた。伝説上のドラゴン相手にとって正直この魔力障壁はただの紙ですが、ただここの騎士たちは同じことを考えている。何故かこのドラゴンは昨日と同じくこちらに攻撃する気配はなかった。


魔力障壁の外と内部からの攻撃もできないため、ユウジたちも今は待つしかいない。口ではドラゴンが城への興味が無くなって飛び去ったのは一番いいの反面に、ユウジこの身体には手柄が必要だ。彼はドラゴンを殺す気満々だ。


ドラゴンはそのまま王城の上空から高度を下げ、障壁の外でユウジと同じ高度になって彼の目の前に止まった。その巨大なドラゴンは明らかにユウジを見ている、その威圧感にユウジ以外の騎士たちは圧倒され動かないままただただ冷や汗を流しました。しかしユウジだけが得意気に口角を上げたままそう考える。


(昨日は直接飛んできてわたくしに打ち返したが、今回は障害がもっとも少ない真上から来るとは、このドラゴンは多少知恵がある、果たして何狙いなの?ふふっ、まぁいいでしょう、昨日の襲撃でわたくしの魔法は明らかにこのドラゴンに効いてたわ。ではこのわたくしの功績として叩き潰しして差し上げますわ。生きろ残ったらわたくしのペットにしましょう。)


ドラゴンはそのまま1分間ユウジの事を見つめていると、急に興味が無くなったみたいのように、真下の方に飛んだ。そして何かを見つけたかのように止まって、尻尾で一撃で城全体の魔力障壁を叩き壊れた。


パリーーーーーーン!


当然、その行動はユウジにとって“お前には眼中にない”明らかに見下された気分だ。ドラゴンは自分より下の今、このチャンスを見てユウジはすぐに動き出した。


「おのれ!…僕が飛び出したら、風魔法で僕をドラゴンに向かって撃て!こいつが落ちたら地上部隊と共に討伐せよ!」

「「は!」」


禍々しい魔剣を抜き、塔から飛び出し、騎士はすぐにユウジに向かって呪文を謳える、風魔法を使ってその落下を加速させた。


ユウジは魔力でその禍々しい魔剣をさらに炎で纏って、魔力で身体強化する、そして…


「はぁぁぁぁーーー!!その翼!貰ったーーーーーーーー!!」


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~~数時間前~~


あのハゲ野郎は部屋から出た。マリアンヌは王様に報告しに行ったのでいない、お昼を食べる前にメイドたちに暇つぶしに刺繍したいと言ったら、すぐに色々揃いました。これはワシの脱走計画の第一歩、メイドたちに刺繍を教わってから数時間、あっという間に昼ごはんの時間になった。


「マリアンヌ遅かったですわね、大丈夫かしら。」

「陛下へのご報告しますので、ちょっと時間がかかります。」

「そうですか。」


お昼を食べ終わったら、再び刺繍魔法の練習を再開しました。それから窓から民衆の叫び声が聞こえた。


「え?何?」


メイドたちもおかしいと思って、一人のメイドは窓の外を確認した。メイド曰く城は急にあの半透明な魔法障壁が張られたと言う。それと民衆たちは城から急いで離れてゆく。絶対何があった、確認するためにメイドひとりが部屋から出そうな瞬間、扉が開き護衛たちが入ってきた。


「姫様窓から離れでください!」

「わかり…うおーーぅぅ!」


我ながら全く可愛くない驚き声です、返事もさせないままメイドたちは俺を窓から離れるように連れ去った。窓と反対の壁に連れ込んで床に座り、メイドたちは俺の周りを囲む。護衛たちは窓を向けて俺たちの前に立ち、剣を構え、戦闘態勢になった。


一体何のことなのかはさっぱりわからないので、そのまま2~3分経過。黒い影が空から降ってきた。


正体はまさかの昨日の巨大ドラゴン!そのドラゴンは窓越しにはっきりこっちを見ている。その威圧感は半端なく、まるで本物の死神の鎌が自分の首に段々近づいてくるように見えたかのように怖かった。メイドたちも音のない悲鳴をあげた。しかし何だろう…この感じ…。


さっきまで怖くて仕方なかったのに、メイドの壁の隙間からドラゴンの目を見ると急に落ち着いて…知ってる…俺は知ってる!


ドラゴンは尻尾を振って、半透明の障壁を壊した。


パリーーーーーーン!


「「きゃーーー!!」」


前に!早く!ドラゴンの前に!俺はメイドたちを押しのけて、窓に向かった。


「姫様!危ないです!」

「俺たちの後ろに隠れって!」


当然メイドたちと護衛たちに掴まれ、そのまま動けなかった。



「はぁぁぁぁーーー!!その翼!貰ったーーーーーーーー!!」



窓の外から大声と共に、目の前には上から炎を纏った剣でドラゴンの翼関節に刺した!


「ガァァァっーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!」

「追加でこれを喰らえ!ファイヤーボール!アイスアロー!ウインドカッター!」


剣を刺さったまま、炎球や風の矢と氷の矢の追撃魔法でドラゴンを襲った!やばい、このままではドラゴンは倒れる!


(確信はないが、俺はの味方よりドラゴンの味方にする!うまく行くかは分からないがやってみる。…集中する!)


メイドと護衛の隙間からその戦況を目一杯の眼力でを見て集中する。その後、刺さった剣を更に刺すのは急に強い力によって引っ張られて、剣を手から離した。はそのまま下に落ちた。俺の部屋はそう高くないので、10階程度ではこの世界の人は死なないだろうと思うと、下からすぐにの声で“ファイヤーランス”と連続の炎の槍がドラゴンを襲った。


(ドラゴンさん!早く逃げて!死んじゃうよ、こっちは大丈夫だから、お願い!)


思わずお祈りポーズでこれを伝えたいと思い続けた。ドラゴンは下と上の魔法攻撃を避けたあと真上に飛び去った。


こうして、ジキタリス帝国2回目のドラゴン襲撃は終わった。

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